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Untitled Venturesが130億円を投じてロシア・東欧のスタートアップ獲得に乗り出す

プーチン氏には悪いが、ロシアと東欧の起業家間で競争が始まっている。そして今、西洋の腐敗した資本家たちが敵を打ち負かそうとしているのだ!冗談はさておき、先にロシア語圏の起業家を対象とした1億ドル(約110億円)規模のファンドが登場したばかりだが、以来、他にも続々とファンドが誕生している。

ロンドンを拠点とするUntitled Venturesがこの競争に加わり「東欧出身の創業者による野心的なディープテック・スタートアップ」への投資を目的とした2つ目のファンドに1億ユーロ(約130億円)を投じることとなった。

同社は西欧や米国に拠点を置く、あるいは移転を検討している起業家を対象にしているという。高い技術を持つことでよく知られているロシアや東欧の創業者の話に常に喜んで耳を傾けてくれる、既存の西欧のVCと協力してこれが実現されていくわけだ。

Untitled Venturesは、バルト諸国、CEE(中央および東ヨーロッパ)、CIS(独立国家共同体)から誕生した、あるいは西欧ですでに設立されている、牽引力のあるB2B、AI、アグリテック、メディカルテック、ロボティクス、データマネジメントなどのスタートアップを対象としていく予定である。

同ファンドのLPにはGlobal Network Managementの創業者であるVladimir Vedeneev(ウラジーミル・ヴェデニェフ)氏も。またUntitled Venturesは、Google、Telegram Messenger、Facebook、Twitch、DigitalOcean、IP-Only、CenturyLinks、Vodafone、TelecomItalyをパートナーとして迎えると伝えている。

Untitled VenturesのマネージングパートナーであるOskar Stachowiak(オスカル・スタコヴィアック)氏は次のように話している。「10社以上ユニコーン企業、2020年だけで10億ユーロのベンチャー資金が生み出され、Veeam、Semrush、Wrikeなどのサクセスストーリーが誕生しました。この急成長中地域から生まれたスタートアップこそ、我々が注力すべきアーリーステージの投資です。STEMに重点を置いた教育システムと約100万人のハイスキルな開発者のおかげで、我々はこの地域の新星を十二分に発掘してサポートすることができるのです」。

また、同社のマネージングパートナーであるKonstantin Siniushin(コンスタンチン・シニューシン)氏は次のように話している。「我々は経済効率を重要視していますが、それと同時に、科学的要素の大きい技術プロジェクトを、ベラルーシ、ロシア、ウクライナなどの経済的に不安定な旧ソ連の国々から持ってくるという社会的使命を果たしたいと考えています。しかし、世界市場での販売機会の創出や、次の投資を得るためのヨーロッパでの事業展開を支援するというだけではありません」。

「私たちには、1号ファンドの最初のポートフォリオで蓄積したすばらしい経験があります。ルクセンブルグ、ドイツ、英国、ポルトガル、キプロス、ラトビアなどの欧州諸国でビジネスを構築するだけでなく、スタートアップ企業を物理的に移転させ、欧州またはグローバルで活躍する企業として認識してもらえるように成長させていくのです」と同氏は話す。

誤解のないよう言っておくが、東欧から大規模なスタートアップを誕生させるという作業は、地元からの資本がほとんどないことが多いため、現在も必要以上に難しいことである。しかし最近ではVitosha Venture PartnersLaunchub VenturesなどのCEEファンドが設立されたり、ルーマニアで大ヒットしたUiPathがあったりと状況は変わりつつある。

Untitled Venturesチーム。

Untitled Venturesのポートフォリオハイライト:Fund I

画像クレジット:Untitled Ventures

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(文:Mike Butcher、翻訳:Dragonfly)

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