Appleの創業者スティーブ・ジョブズ氏が亡くなって10年、この節目の時期に多くの人が彼との思い出を語っています。Dellの最高経営責任者(CEO)であるマイケル・デル氏もその1人です。デル氏はジョブズ氏にMac OS搭載PCの販売を提案されたことを回想しています。
ロイヤリティで折り合わず
DellのCEOマイケル・デル氏によると、ジョブズ氏はAppleから追放される以前からMac OS搭載PCの販売をDellに持ちかけていました。交渉途中でジョブズ氏がAppleを去りNeXTを設立した後も、NeXT搭載PCをDellに提案するなど、同社との交渉は継続的に行われていたようです。ただこの時はNeXT対応アプリケーションの少なさからDellは販売を断ったとされます。
ジョブズ氏はAppleに復帰して以降、再びMac OS搭載PCの販売についてDellと交渉しています。この時は実際にDellのPCでMac OSが動いている実機を持参して提案したのですが、今度はロイヤリティの高さが交渉のネックになったようです。
ジョブズ氏の提案ではDellがMac OS搭載PCを販売するには数億ドル(数百億円)という巨額のロイヤリティの支払いが必要であり、また継続的にMac OS搭載PCを販売できる保証もなかったとされます。そのためこの交渉は頓挫し、ジョブズ氏の構想は実現しませんでした。
ソニーとも交渉
ジョブズ氏は同時期、ソニーにも同様の提案をしたことが知られています。ジョブズ氏はハワイで休暇中のソニーの幹部を前に、同じようにMac OSで動くVAIOを持参してプレゼンテーションを行なっています。ソニーは社内で検討した結果、採用を見送り、ここでもMac OS搭載PCの構想は実現しませんでした。
ソニーやDellとの交渉がまとまらなかったことを受け、AppleはMac OSを自社製品限定のOSとして開発を進めていくこととなります。このことが現在のMacのブランド力につながっているのは確かであり、両社との交渉決裂はAppleの歴史のターニングポイントであったことは確実です。
Source:MacRumors
(KAZ)
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- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania