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iPadから高音質で音楽を聴くなら断然「AirPlay」利用がオススメ!

【iPadで始めるAV環境最強化計画】

iPadユーザーが音楽を聴くソースとしては、Apple Musicなどの定額音楽配信サービスが定番かもしれません。またYouTubeも広い意味では音楽リスニングのソースとして定着しています。

前回はイヤホンを通じてiPadで高音質で音楽を聴く方法を紹介しましたが、今回は快適さや使い勝手の観点から、自宅などでのスピーカーによる音楽リスニング方法を考えていきます。

▲BluetoothスピーカーやAirPlay対応スピーカーを用意して検証

最も簡単な方法は、iPadの内蔵スピーカーで聴くことです。機種によっては内蔵スピーカーの音質も侮れず、僕が最近購入した「11インチiPad Pro(第3世代)」(2021年モデル)は4スピーカーによるステレオ再生で、音の厚みや低音のパワーもあり、結構いい音で聴かせてくれます。

▲「11インチiPad Pro(第3世代)」(2021年モデル)は4スピーカー内蔵で音質も結構優秀

でも、もっと高音質で聴きたいと思ったら、あるいはモノラルスピーカーしか備えていないiPad(無印)ユーザーの方には、外部スピーカーの用意をおすすめします。

 

■Bluetoothスピーカーはとにかくお手軽さが魅力

iPadやスマホユーザーにとって最も手軽に扱えるのは、Bluetoothスピーカーでしょう。Bluetoothとは10メートル以内程度の近距離通信向けのワイヤレス技術で、ワイヤレスイヤホンんどと同じ仕組みで接続できます。Boseやソニーなど業界大手ブランドからも発売されていて、ほとんどの製品がバッテリー内蔵でアウトドアにも持ち出し可能。数千円から数万円まで幅広い価格の製品があります。

今回用意したのは、以前レビューしたTribit「StormBox Pro」(実勢価格:9999円)。数千円といったもっとお手軽なスピーカーもありますが、使用するiPad Proの内蔵スピーカーが優秀なこともあり、音質アップを考えるならやはり1万円クラス以上のスピーカーの方がいいですね。

スピーカーをペアリングモードにしてiPadの「設定」画面から製品名を選択すれば接続完了。一度ペアリングすれば、Apple MusicやYouTubeはもちろん、その他のアプリの音や通話音声まで、すべての音をスピーカーから流せます。パワーとリッチな重低音再生は、外部スピーカーではないとやっぱり得られません。

 

■AirPlay対応スピーカーはやや本格派?

Bluetoothスピーカー以外の選択肢として、iPadやiPhone、MacといったApple製デバイスなら利用できるAirPlay(現在は最新のAirPlay2)もあります。

▲AirPlay対応スピーカーの代表的なアイテムといえば、Apple純正のスマートスピーカー「HomePods mini」(1万1800円)

AirPlayはWi-Fiのネットワークを介して利用するので、自宅にWi-Fiがある人向けです。今回は音楽再生用として活用していますが、映像再生にも対応しています。

▲他社製でも「Works with Apple AirPlay」対応オーディオやスマートTVはある

そこで今回は、AirPlay対応のSonos「Sonos Roam」(2万3800円)を使って試してみました。“Bonjour”というAppleの通信方式を使うとiPad上で自動的にWi-Fi上のAirPlay対応機器を発見できるので、見つけたら接続すればOK。

ではAirPlayを通して音楽を再生してみましょう。

▲「リビングルーム」と名前を付けた「HomePods mini」で再生

「HomePods mini」の場合は、初期設定を済ませてWi-Fiに接続します。この時、スピーカーに名前を付けられるので「リビングルーム」としました。これをApple Musicで使う場合、再生時にAirPlayボタンをタップしスピーカー(「リビングルーム」)を選択すればOK。コントロールセンターからも同様の操作が可能です。

再生可能な音楽形式は最大48kHz/16bitの“ロスレス”までで、“ハイレゾロスレス”には対応していません。

▲音楽アプリ上にあるAirPlayボタンでスピーカーを選択

ちなみにAirPlayボタンは他社の定額音楽配信サービスやYouTube、Netflixといった映像配信サービスのアプリにも搭載されています。AirPlayを使うと、Wi-Fi上で動作しているため通信が安定し、裏では分単位のバッファをするので音途切れしにくくなります。

▲AirPlayでは複数のスピーカーで同時再生も可能

また音楽再生では、iPadなどの端末側から複数のAirPlay対応デバイスで同時にズレなく音楽を再生させる「マルチストリーミング」も利用できます。複数の部屋がある広い家で、音楽をBGMのように流す欧米のライフスタイルで需要のある機能ですね。AirPlayボタンをタップし再生先として複数のスピーカーにチェックを入れるだけと、操作はとても簡単です。

▲例えば、「HomePods mini」は一階のリビングに設置して…

▲「Sonos Roam」を2階に設置しても、ズレなく同時に音楽を流せる

一方、AirPlayのデメリットとして、対応しているのが音楽や映像系アプリに限られることがあります。例えば、ゲームアプリのサウンドをAirPlayスピーカーを通して再生することはできません。AirPlayは、あくまで音楽と映像に向けた技術。汎用性はシンプルなBluetoothスピーカーの方が上とも言えます。

Sonos「Sonos Roam」はAirPlay接続とBluetooth接続の両方に対応しているので、音質を聴き比べてみると、AirPlay接続の方が音の情報量が豊富で、音質面ではハッキリ上。本格派リスニングならAirPlay、手軽さ重視ならBluetoothがおすすめです。

*  *  *

実は、iPadでスピーカーで音楽を流す3つめの選択肢もあります。それが有線接続のスピーカー(主にPCスピーカーとして販売されているもの)。ただし、iPadでも3.5ミリのイヤホンジャック廃止が進んでいて、僕の「11インチiPad Pro(第3世代)」(2021年モデル)もイヤホンジャック非搭載。“iPadで快適に音楽を聴くならワイヤレス”と、Apple側から方向性が示されているようですね。

>> iPadで始めるAV環境最強化計画

 

<取材・文/折原一也

折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長

 

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