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Google、iPhone向けアプリをiOS純正アプリに近い形で提供するよう方針変更

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Google製のiOSアプリはこれまで、iOS純正アプリと同じ感覚で使用できないと批判されてきました。日本時間10月8日、GoogleAppleプラットフォーム向けアプリデザイン担当チームのリーダーを務めるジェフ・バーコイエン氏は自身のTwitter上で、これまで採用されてきた「マテリアルデザイン」に拘ることなく、iOSアプリの開発方法を見直していく方針を明らかにしました。

新たな方針にシフト

GoogleのWebサービスやアプリには、「マテリアルデザイン」と呼ばれるガイドラインが採用されています。マテリアルデザインとは、多様なプラットフォームやデバイスにおいて、統一感のあるデザインを取り入れることで、デバイスが変わっても操作感に統一性を持たせることを目的としたデザインシステムの1つです。
 
このマテリアルデザインを様々なプラットフォームで簡単に取り入れることができるフレームワークが、「Material Components(MDC)」です。このMDCを活用して、Googleマップなど同社の提供するiOSアプリは構築されてきました。その過程で、iOSアプリ構築フレームワークであるUIKitとのギャップを埋めるために、iOS向けの「Material Components for iOS」がリリースされました。
 
しかしその結果、「GoogleのiOSコンポーネントは、Appleのプラットフォームの根本から徐々に離れてしまった」とバーコイエン氏は述べています。実際、一部のユーザーからはGoogle製のiOSアプリを使用すると、他のiOS純正アプリとの間に違和感や一貫性のなさを感じるという不満の声が上がっていました。

2021年初頭、iOSアプリの開発方法を見直す

これを受け2021年初頭には、同社のAppleプラットフォーム向けアプリデザイン担当チームは、「Appleのプラットフォーム上で、Googleらしい体験を作り出すことが何を意味するのかについて、実用性とブランドの重要なモーメントという2つを中心に批判的に評価し、その両方を実現させるために必要な要素を深く検討したとしています。
 
スイッチは、一般的なデザインシステムに合わせてカスタムメイドで作る必要があるのか、それとも共通のシステムソリューションを利用するだけで十分なのかなどが検討されたとのことです。

「Material Components for iOS」はメンテナンスモードに

このようにAppleのプラットフォームのデザインに対するアプローチを進化させることで、UIKitとGoogleのデザイン言語の長所を融合させることができ、その結果、多くのカスタムコンポーネントが必要なくなったとしています。方針変更の一環として、Googleは7月に「「Material Components for iOS」をメンテナンスモードとしています。
 
また方針が変更されたことで、Googleアプリのカスタムコンポーネントの数は大幅に減り、スイッチ、バー、コントロール、リスト、メニューなどの要素がAppleのシステムデザインに変更されることとなります。その結果、Google製のiOS及びiPadOSアプリは、見た目も使い勝手もよりiOS純正アプリに近いものになると予想されています。
 
 
Source:Jeff Verkoeyen/Twitter via MacRumors,9to5Google
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