多くの造船所が集中し、技術向上にしのぎを削る瀬戸内海エリア。「THE IRON FIELD GEAR」(以下TIFG)は、そんな長年にわたり造船に携わってきた鉄のプロ集団が立ち上げたアウトドアブランドです。
“持ち運べる焚き火”というコンセプトの大きな窓付き箱型焚き火ギア「TAKI BE CAN」で大いに話題となったTIFGが、このたび新しい炭火グリル「SUMI BE BOX」(2万9700円)を発表しました。
パッと見はステンレスの脚付きグリルですが、その構造がユニーク。
炭の上に屋根がかかっていて、肉汁が炭に落ちにくい! つまり炎が立って肉が煤けてしまったり、煙がモクモク立ち上ったりなんてことを防ぐ構造です。
しかも、屋根があっても炭の下から空気を取り入れて上昇気流が発生するので、風の影響を受けづらく安定して燃焼するんです。
■組み立てに悩まないオールインワン設計
バニティケースみたいなおしゃれなケースに収まっています。このまま部屋に出しっぱなしにしてもインテリアに馴染みそう。
パーツが細かくてなんだか組み立てが面倒に思えますが、フタを地面に敷いて、その上に脚を開いた本体を載せ、サイドテーブルや防炎カバーをセットするだけ。完成形がわかればサラッと組み立てられますよ。
少し頭をひねったのがサイドテーブルの取り付けです。これは本体の内側にあるインナーを取り外してからセットします。また、灰ケースの横に収まっているリフターも見逃しやすいので気をつけましょう。
サイドテーブルの分だけ大きく見えますが、焼面はおおよそ350×210mmでステーキ肉2枚がぴったりおさまります。
念のため焚き火シートの上にセットしましたが、フタ兼遮熱板を敷いて、さらに灰受け用の遮熱板を装備しているので、焚き火シートが熱くなることはありませんでした。
それに、木炭の継ぎ足しをするときは熱いグリルプレートを取り外し、フタ兼遮熱板の上に載せて一時置きできるのも秀逸です。
もっと大きなBBQグリルでもっと軽いものがありますが、防炎プレートや複数の遮熱板という安全でおいしく肉を焼くための機能が詰まった「SUMI BE BOX」は家族2〜4人のキャンプに十分な大きさでありつつ、持ち運びが楽なギリギリのサイズを実現したと言えるでしょう。
■テクニックいらずの炭火焼きに満足
炭入れは案外小さく感じます。けれど、この上にかぶせる防炎カバーがうまい具合にグリルプレート全体に熱風を送り届けるのでこの量で十分。端のほうまで熱々になります。
この防炎カバーが「SUMI BE BOX」の最大の特徴です。写真でもわかりますが、1枚のくの字型プレートではなく、瓦葺のようになっていて中央にスリットが入っているんです。
つまり、脂が木炭にかかることなく脇に流れ落としつつ、熱風を焼面いっぱいに広げるというわけ。
ちなみに、流れ落ちた脂はインナーが受け止めるので、冷めたらインナーを取り外して丸洗いするだけでスッキリ。
本体はオールステンレスですが、グリルプレートのみホーロー加工を施した分厚い(2.8mm)スチール製。炭火が見えないので本当にうまく焼けるのか不安になりますが、遠赤外線の輻射熱で厚めの肉がふっくら! 焦げ付きにくいのも大きなメリットです。
グリルプレートの耐荷重は10kgなのでケトルやスキレットのような重いものを載せても大丈夫。
スキレット料理やスープを作るなんてときは、防炎カバーを取り外して強力な木炭パワーをダイレクトに利用できます。
一方、サイドテーブルの耐荷重は1kgで、調味料を置くのにピッタリ。
煙が立ち上がることがないのでスモーキーな香りは控えめですが、焦げによる苦味やススで真っ黒になることはありません。
グリルプレートに触れた部分が褐色となり、香ばしさが食欲を刺激。このあたりは鉄板に似ていますが、それよりも余分な脂を落としつつもやわらかく、赤身のうまみを感じます。
熱したグリルプレートに肉を置くだけ、テクニック不要なのに上々の仕上がりとなるTIFGの「SUMI BE BOX」。炭の火力調節が苦手でBBQにいい印象がない人、家族のためにおいしい料理をつくりたいと願う人にぴったりです。
<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介>
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/405983/
- Source:&GP
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