高速大容量、低遅延、多数同時接続が特徴の5G通信は世界中に広がりをみせています。
この5G通信網を、通信ではなく監視システムとして利用するビンガムトン大学の研究にアメリカの軍が資金を提供したことがわかりました。
基地局の密度が高いミリ波を利用
通常監視システムとして使われているレーダーは、電波を送信し、その跳ね返りを受信することで物体を検知します。
ビンガムトン大学の研究は、このレーダーの電波として5G通信網を利用するというものです。
5G通信のなかでもミリ波は到達距離が短く、障害物によって遮られやすいという特性を持つため、高密度に基地局を配置する必要があります。
このため、ミリ波をレーダー代わりに使えれば、高密度に配置された基地局による非常に精度の高い監視システムが、新たな基地局建設無しの低コストで実現できるということなのでしょう。
ミリ波には28GHzや39GHzといった周波数帯が使われますが、レーダーには400MHzから36GHzまで用途に応じてさまざまな周波数が使われているため、その点ではこれまでと大きく変わることはありません。
アメリカの空軍と国防総省が資金を提供
この研究に対し、アメリカの空軍や国防総省が資金を提供したことがわかりました。
空軍は29万7,000ドル(約3,395億円)、国防総省は29万5,000ドル(約3,373億円)を提供しています。
この研究はまだ初期段階であり、最終的にこのような監視システムが実現するかどうかはわかりません。
もし実現すれば、軍事用途だけでなく、家庭用の医療機器や商業用のセキュリティシステムなど、民間での利用も考えられるとのことです。
一方、人々が多く暮らす地域に密な監視システムを置くことに関しては、プライバシーの点で議論が巻き起こるかもしれません。
Source: Space Explored
(ハウザー)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-414006/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania