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Twilioは巨額買収したSegmentをベースにした新ツールでマーケティングに深く切り込む

2020年、Twilioが32億ドル(約3649億円)という巨額でSegmentを買収した際、誰もが何かをやるなと思っただろう。米国時間10月20日、同社は顧客カンファレンスSignalで、Segmentをベースとする全チャネルマーケティングツール「Twilio Engage」を発表した。

SegmentのCEOであるPeter Reinhardt(ピーター・ラインハート)氏によれば、そのツールはSegmentを含む複数のTwilioプロダクトを利用して開発したまったく新しいクラウドマーケティングテクノロジー(MarTech)ツールだ。

「Twilio Engageは最新のグロースオートメーションプラットフォームであり、顧客データプラットフォーム(CDP)としてSegmentを、通信機能としてはTwilioの通信APIを、それぞれネイティブに使用している」とラインハート氏はいう。この新しいアプリケーションの目標は、マーケターが自分の顧客をもっとよく理解できるようになり、彼らがよりカスタマイズされたメッセージを届けられるようになることだ。

まずそれは、Segmentを利用して50あまりのデータソースから顧客情報を集める。次に、このツールの心臓部であるジャーニーオーケストレーションコンポーネントでマーケターは、各顧客のためのワークフローを定義する。そして彼らは、メールやSMSなどさまざまなコミュニケーションチャネルを利用してカスタマイズされたメッセージを作成、送付する。また、TwilioのコアコミュニケーションAPIを利用して、さまざまな外部ツールに接続することもできる。

多様なコミュニケーションコンポーネントは、ジャーニーワークフローのさまざまな特定条件をトリガーとして、カスタマイズされたテキストメッセージやメール、広告など、さまざまな形で配布される。これについてラインハート氏は「これからは前菜からデザートまで、キャンペーン全体をクリエイトできます。必要なコンテンツをすべて揃え、すべてのオーディエンスを作り、Twilio Engageの中ですべてのターゲティングを行えます」という。

例えば、あるスニーカーメーカーがランニングアプリを持っているとする。Twilio Engageを使えば、ユーザーが同社のアプリで100マイルを記録したときに始まるキャンペーンを設定することが可能だ。このマイルストーンをきっかけに、(TwilioのCommunications APIを使って)お祝いのメッセージをSMSで送ることができる。そのユーザーが既存の顧客である場合は、最初の目標達成を祝うメールを自動的に送信し、20%オフのクーポンを添付することもできる。ユーザーが顧客でない場合は、Facebook、Snapchat、Googleなどの異なる広告チャネルで、同様の割引とメッセージで再ターゲティングすることも可能だ。

Twilio Engageのワークフロー(画像クレジット:Twilio)

Futurum Researchの創業者で主席アナリストのDaniel Newman(ダニエル・ニューマン)氏によると、Twilioがマーテックに全面関与するのは新しいことだが、同社にはCDPという足場がすでにあり、もちろんメッセージングのプラットフォームもある。同社のデベロッパーコミュニティを有効に活用できれば、この新しい試みは成功できるだろうという。

「CDPとMarTechは競争が激しいが、Twilioとその忠実なデベロッパーコミュニティは今回の同社の新しい事業に魅力を感じるでしょう。なぜなら、デベロッパーにおいても、彼らの顧客のジャーニーの全行程を理解するという理想のような目標はますます複雑化しており、同時にそれは、マーケターや営業のトップにとっては達成可能な目標になりつつあるからです」とニューマン 氏はいう。

Twilioが、自らのプラットフォームと収益機会を、同社の基盤である中核的な通信API以外にも拡大したいと考えていることは明らかだ。ラインハート氏は、TwilioのCEOであるJeff Lawson(ジェフ・ローソン)氏と一緒に、両社のツールセットを組み合わせた場合の最適なユースケースがマーケティングであることが明らかになり、それが今回の賭けの理由であると述べている。

ラインハート氏によれば「現在、TwilioのメッセージングAPIとSegment上のデータをどのように利用しているのか、多くの顧客から話を聞きました。圧倒的に多いユースケースが、マーケティングでした。マーケティングなら、それを改善し改良する技術が私たちには十分にあります」。そこから、Twilio Engageが生まれた。

本日から、数社の協力によりパイロットが始まる。一般公開は2022年前半の予定だ。

画像クレジット:Bloomberg/Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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