スマートフォンやノートPCはそれぞれ固有のBluetooth信号を発信しており、この信号がデバイスの位置情報追跡に利用されています。
ではBluetoothをオフにしたら、追跡されないのでしょうか?一部のデバイス、特にAppleデバイスでは、完全に電源を切っても難しいようです。
Bluetooth信号の完全な匿名化はできない
Bluetoothをオンにすると、すべての主要なスマホ、ノートPC、そしてスマートウォッチは、ネットワークアドレスをランダムにしてデバイスの匿名化に努めます。
しかしカリフォルニア大学サンディエゴ校(USサンディエゴ)の研究によれば、スマホなどが発する物理無線信号のバリエーションは限られているため、個々のスマホの「フィンガープリント」を見つけ出すことは可能なのだそうです。
つまり何千台ものスマホが同じ場所で使われていたとしても、物理層フィンガープリントを特定することは可能だと、USサンディエゴの研究者は指摘しています。
iPhoneはAndroidより特定しやすい?
同大学の研究者によると、デバイスによってフィンガープリントが見つけやすいものと見つけにくいものがあるそうです。
iPhoneはどれもよく似たフィンガープリントを持ち、またAndroidデバイスよりもかなり強いBluetooth信号を発しているため、Androidに比べ特定しやすいと研究者らは指摘しています。
プロファイルが判明すれば簡単に追跡可能
USサンディエゴのハディ・ギバチアン氏と二シャント・バスカ氏は実験において、約200ドルで入手可能な機器を使ってBluetooth信号の追跡を行いました。公共の場所でBluetooth信号を機器によって拾い、それらの信号を発しているデバイスの追跡を試みましたが、成功率は40%〜50%と低いものでした。
しかし一旦Bluetooth信号のプロファイルを突き止めてしまえば、そのデバイスが街中のどこへ移動しても、96%の確率で追跡できたそうです。
ただし追跡できたのは非常に目立つフィンガープリントを持ち、かつ温度が安定しているデバイスだったようです。
とはいえ、より高度な機器とテクニックがあれば、Bluetooth信号によって追跡されてしまう可能性は否定できません。
電源オフでも初期化しても追跡可能
Windows PCやAndroidデバイスは、設定でBluetoothをオフにすることによって、Bluetooth信号の追跡を制限することができます。
しかしiPhoneを含むApple製品では、Bluetooth信号を完全にオフにすることはできません。Appleの場合、「探す」や「AirDrop」機能においてこのBluetoothを利用しているからです。
特にiOS15以降の「探す」では、iPhoneの電源をオフにしても初期化しても、場所の特定が可能となっています。これは自分のデバイスを紛失した時、あるいは盗難にあった時には非常に有用な機能ですが、一方で「誰かに位置を特定される」という危険性をはらんでいるといえます。
Source: University of California, San Diego(PDF) via Tom’s Guide
Photo:Wiki How
(lunatic)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-414749/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania