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初代iPod発表から20年、開発者が開発秘話を語る

ipod
 
9年連続で最も価値あるブランドに選ばれるなど、今では安定感のあるAppleですが、初代iPod発表当初は未知の状況の連続だったといいます。初代iPod発表から20年を迎え、デバイスを開発したトニー・ファデル氏が、CNETのインタビューで開発秘話を語りました。

ジョブズ氏から誘われチームに加入

初代iPodが発表されたのは、今からちょうど20年前の2001年10月23日です。「“おっとっと”という感じだった」と、ファデル氏は当時を振り返り語っています。「その頃、頭がちょっとおかしくなければAppleで働くことはできなかった
 
2001年始め、ファデル氏は自身のMP3プレーヤーを開発していたところ、Appleからコンサルタントとして指名され、発表されたばかりのiTunesソフトウェアと連動するデジタルミュージックプレーヤーの様々な試作品を作るよう依頼されたといいます。
 
「我々はこれを作っているのだが、君もいっしょにやってみないか」と、スティーブ・ジョブズ氏に声をかけられたとファデル氏は記憶しています。
 
最終的にAppleに加わることに同意したファデル氏でしたが、Apple史上最も重要ともいわれる製品を作る過程は一筋縄ではいなかなったようです。

新たな部品の数々に苦戦

2001年4月にAppleに入社したファデル氏は、FuzeとGeneral Magicの従業員でチームを構成し、後に“iPod”と呼ばれる製品の本格的な開発を開始します。
 
まずチームの前に立ちはだかったのは、新たな部品の数々でした。東芝の新しいハードドライブ(昔ながらのスピニングディスク型)をポケットに入れて持ち歩いたり、地面やテーブルに落としても壊れないようなデバイス設計を行わなければならなかったこと、当時は新しかった(10時間以上バッテリー駆動時間が持つ)リチウムイオン電池を使用していたこと、そして、音楽ファイルを高速でデバイスに転送できるようFireWire規格に対応させる必要があったこと、が主な課題だったそうです。
 
「本当に多くの“これマジで動くのかな?”的な瞬間の連続でした」と、ファデル氏は述べています。「本当にわからなかった

開発開始からわずか5カ月でデバイスを発表

2001年のクリスマスまでにデバイスを市場に送り出す予定でしたが、開発が始まったのは同年の5月で、わずか5カ月後に発表イベントが計画されていました。
 
「ノンストップ、週7日だった」と、ファデル氏は回想しています。
 
10月23日にデバイスが発表されたとき、まだソフトウェア面が完成しておらず、メディアに披露されたのは試作品だったことも同氏は明かしています。イベントの直後、チームはまたすぐ開発に戻ったといいます。

発売後すぐには売上は伸びず

開発に相当な労苦が伴った初代iPodですが、発売すぐのホリデーシーズンには12万5,000台しか売れなかったそうです。
 
実際にiPodに火が付き始めたのは、2003年の第3世代からで、iPod Nanoが発売されたときAppleはNAND型フラッシュメモリーの最大の消費者になっていた、とファデル氏は誇らしげに語りました。
 
 
Source:CNET via MacRumors
(lexi)

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