大日本印刷株式会社(DNP)は、京都市などで構成される京の伝統文化体験推進実行委員会が実施する「デジタル技術を活用した京の伝統文化体験推進事業」に採択されました。これを受け、主に京都市の子どもたちを対象に、デジタル技術を活用した華道・日本舞踊・能楽の体験を提供するようです。
同社はこの取り組みを通じ、多くの子どもたちが伝統文化に興味関心を持てる文化体験プログラムを開発するとともに、他の地域への展開を図ることで、日本の伝統文化の継承を進めていきます。
なお、「デジタル技術を活用した京の伝統文化体験推進事業」は、文化庁が推進する「子供たちのための伝統文化体験機会回復事業」の採択事業です。
華道・日本舞踊・能楽を楽しく学ぶ
それでは、DNPが提供する体験を紹介しましょう。
2022年2月12日には「スマートグラスで理解が深まる!わかりやすい能楽鑑賞会」を実施予定。演目の解説などが表示されるスマートグラスを着用して、京都観世会館の本格的な能舞台で能楽「舎利(しゃり)」を鑑賞するプログラムです。
それぞれの体験の参加者は、事前に自宅に届く教材やWebサイトで公開される動画などで各伝統文化について学習した上で参加することになります。なお、「いけばな体験」と「日本舞踊体験」では、SNSを活用したコンテストも開催予定です。詳しくはこちらへ。
DNPの伝統文化継承への取り組み
DNPはこれまで、有形・無形の文化遺産を高精細なデジタルデータとして保存し、次世代へ継承する取り組みを行ってきました。
例えば、醍醐寺(真言宗醍醐派総本山醍醐寺)や龍安寺(臨済宗妙心寺派大雲山龍安寺)といった京都の世界遺産の映像アーカイブや、江戸時代中期に呉服商「奈良屋」を創業し、関東での行商と出店により繁栄を築いた京商家杉本家の慣らいと暮らしを伝えるコンテンツなど、京都の文化伝統を数多くデジタル化しています。
また京都以外にも、鳥取県の重要無形民俗文化財「麒麟獅子舞」をデジタル映像でアーカイブしたことも。3名の舞手役が、17個のセンサーを組み込んだ全身用のモーションキャプチャスーツを着用して舞うことで、細かい動きまでを3Dで再現することに成功したといいます。
このように、京都をはじめ国内のさまざま伝統文化をデジタルアーカイブ化してきたDNP。子どもには難しいと思われがちな伝統文化をわかりやすく、そして色褪せない形で伝えることで、日本の伝統文化の継承に貢献できるかもしれません。
(文・Higuchi)
- Original:https://techable.jp/archives/165193
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口