米国時間11月1日、Epic Games(エピックゲームズ)はビデオゲームのメガタイトル、Fortnite(フォートナイト)の中国市場参入を中止したことを発表した。
同社は、中国における長らく続いていた人気シューティング・ゲームのテストを11月15日に終了することを公式声明で発表した。今日から新規ユーザーは登録できない。
中国のインターネット巨人、Tencent(テンセント)はEpic Gamesの株を保有している他、別の米国ゲーム会社で世界的ヒット作ゲームを作っている, Riot Games(ライオット・ゲームズ)も完全所有している。
中国のゲーム業界では、最近の規制当局による審査の変更や政府による若者のゲーム時間制限の検討が起きている。中国共産党による若年層のゲーム時間を減らす動きの影響はまだ明らかではないが、この決定によって中国におけるFortniteの公開が困難になった可能性がある。
Epciは中国に特化したバージョンのFortniteを開発した。世界中でよく知られているタイトルの変種だ。ゲーマーが作っているwikiに、ゲームプレイや収益化の変更、現地法に沿うためのキャラクター・グラフィクスの変更などの詳細が載っている。同じ項目に、一定時間プレイした後はゲーム内の体験ポイントを獲得できなくなると書かれている。
EpicによるFortnite China中止の決定は、同国のゲーミング市場変更への対応と見ることができる。ゲーム時間制限のさらなる強化と、少額決済の制限による収益の低下によって、単純に計算が立たなくなった。
先月のLinkedIn(リンクトイン)の撤退によって、中国デジタル世界からもう1つ人気プロダクトが消えたことは注目に値する。2つの動きは、非中国企業がこの国で製品を提供することが、たとえ現地に支援者がいても困難であることを浮き彫りにしている。
他の文化的コンテンツの実績も芳しくない。最近のMarvel(マーベル)映画 “Eternals”(エターナルズ)は同国で公開される様子がない。おそらく、監督である北京出身のChloé Zhao(クレオ・ジャオ)氏のコメントが国家批判にあたるという意見が一部にあるからだろう。
規制の強化に加えて国際的な映画やゲームを中国に持ち込む能力、あるいは意欲の減少によって、この国はますます国際文化から隔離されていくだろう。そして、おそらくそれと同時に、中国が自国の文化的創造物を通じて「ソフトパワー」(軍事・経済力以外の政治的価値観)を獲得する機会は制限されるだろう。
いずれにせよ、中国のFortniteファンにとって、中国当局を回避するトリックを使わずにゲームをプレイする手段は失われつつある。
Epic Gamesは、中国のプレイヤーに向けて発信した以下の声明以外、中止についてコメントしていない。
Fortnite Chinaプレイヤーのみなさまへ:
Fortnite Chinaのベータテストはまもなく終了し、サーバーは閉鎖されます。詳細は以下をご参照ください。
11月1日月曜日午前11時をもって、新しいユーザー登録の入口とゲーム・ダウンロード・ポータルを閉鎖します。
11月15日月曜日午前11時、Fortniteのサーバーを停止し、プレイヤーはWeGameクライアント経由でゲームに接続できなくなります。
Fortnite Chinaプレイヤーとしてベータに参加し、私たちとともにBattle Busを苦しめてきたみなさん全員に感謝いたします。
サーバー閉鎖に関する質問あるいは提案のある方は、こちらをクリックしてフィードバックを送ってください。
画像クレジット:Kyle Grillot/Bloomberg / Getty Images
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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook )