これは、日本医療研究開発機構(AMED)「8K等高精細映像データ利活用研究事業」の支援による、国立がん研究センターとNHKエンジニアリングシステムなどによる共同研究。実験では、NHKエンジニアリングシステムと池上通信機が共同開発した小型の8K内視鏡カメラと、オリンパスが開発した8K腹腔鏡手術システムが使われた。手術室を想定した千葉県の実験サイトで、動物の直腸切除手術を行い、その様子を光ファイバーや5Gなどによるブロードバンドで京都府の京阪奈オープンイノベーションセンターに送信。外科医3名で手術を行ったが、遠隔支援がある場合とない場合との手術技術の改善度を評価した。
超高精細映像の「本物に迫る立体感」で、遠隔地でも手術状況を詳細に把握でき、質の高い手術支援が提供できたことで、外科医の内視鏡技術が向上し、手術時間が短縮された。また、映像伝送においては、転送レート80Mbps、遅延時間約600ミリ秒を達成し、十分な性能を確認できた。
これにより、少数の医師での治療が可能になり、若手育成、外科医の偏在の解消などが期待される。今後は、外科医を1名減らした場合の評価、「4K8K高度映像配信システム」への手術映像のアーカイブの開発などを進め、近い将来の社会実装に向けた具体的な計画を策定するとのことだ。
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/11/02/8k-remote-laparoscopic-surgery/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:tetsuokanai