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フェイスブックの研究者がロボットに触覚を与える皮膚と指先を開発

Facebook AI Research(フェイスブックAIリサーチ)によると、次世代のロボットは「感じる」性能がより向上するという。ここでいう「感じる」とは、もちろん、感情という意味ではない。感触のことだ。AIとロボット研究においては比較的新しいこの分野を前進させるため、同社とそのパートナーは、安価で耐久性があり、信頼できる基本的な触覚を提供する新しい種類の電子皮膚と指先を、我々の機械の友人たちのために作り上げた。

なぜFacebookがロボットの皮膚を研究しているのかという疑問は、AI責任者のYann LeCun(ヤン・ルカン)氏が新しいプロジェクトを紹介するメディアコールで真っ先に取り上げたことで明らかだろう。

おもしろいことに、ルカン氏は「会社がロボット工学に取り組む理由はないようだ」とZuckerberg(ザッカーバーグ)氏が指摘したことから始まったと振り返った。ルカン氏はこれを挑戦と捉えて、ロボット工学に取り組み始めたらしい。しかし、やがて明確な答えが浮かび上がってきた。Facebookがインテリジェントなエージェントを提供するビジネスを展開するのであれば(自尊心のあるテクノロジー企業であれば、そうするのではないだろうか?)、そのエージェントは、カメラやマイクで捉えられる情報を超えた世界を認識する必要がある。

触覚は、それが猫の絵なのか犬の絵なのか、あるいは部屋の中で誰が話しているのかを判断するのにはあまり役に立たないが、ロボットやAIが現実世界と交流しようとするならば、それ以上のものが必要になる。

「私たちはピクセルや外見を認識することに関しては得意になってきました」と、FAIRの研究員であるRoberto Calandra(ロベルト・カランドラ)氏はいう。「しかし、世界を認識するには、それだけでは不十分です。そのためには物体を物理的に認識できるようになる必要があります」。

カメラやマイクは安価で、そのデータを効率的に処理するツールもたくさんあるが、触覚に関しては同じようなわけにはいかない。高度な圧力センサーは一般消費者向けには普及していないため、有用なものは研究室や業務用に留まっている。

2020年にオープンソースとして公開されたDIGIT(ディジット)は、パッドに向けられた小さなカメラを使って、タッチしているアイテムの詳細な画像を生成する。トップ画像はこの「指先」自体が写っているが、これは非常に敏感で、下の画像で見られるように、さまざまな物に触れて詳細なマップを作成することができる。

画像クレジット:Facebook

この「ReSkin(リスキン)」プロジェクトの起源は2009年にさかのぼる。TechCrunchでは、2014年に「GelSight(ゲルサイト)」と呼ばれるMITのプロジェクトについて紹介し、2020年にも再び記事にした。この会社はスピンアウトし、現在は我々が記事で紹介したこの触覚アプローチにおける製造パートナーとなっている。基本的にその仕組みは、柔らかいゲル表面に磁性粒子を浮遊させ、その下にある磁力計で粒子の変位を感知し、その動きを引き起こしている圧力の正確なフォースマップにこれを変換するというものだ。

GelSightタイプのシステムの利点は、磁力計が組み込まれたチップやロジックボードなどのハードな部分と、磁気粒子を埋め込んだ柔軟なパッドであるソフトな部分が、完全に分離されていることである。つまり、表面は汚れたり傷ついたりしても簡単に交換でき、繊細な部分はその下に安全に隠しておくことができるというわけだ。

ReSkinの場合は、任意の形状にチップを多数接続し、その上に磁性エラストマーの板を敷き、各々の信号を統合することで、全体から触覚情報を得ることができるというものだ。較正が必要なので、それほど単純というわけではないが、数平方インチというスケールを超えて動作を可能にする他の人工皮膚システムに比べれば、はるかに単純とも言える。

下の画像のように、小さな犬用の靴に組み込むこともできる。

足に圧力を感知するパッドを付けた犬と、そこら読み取った数値のアニメーション画像(画像クレジット:Facebook)

このような感圧面を備えていれば、ロボットなどの機器は、物体や障害物の存在をより簡単に感知することができる。その際、例えば、その方向に力を加える関節の摩擦の増加に頼る必要はない。これによって介護ロボットは、より優しく敏感に触覚を検知できるようになる可能性がある。介護ロボットが普及していない理由の1つは、触覚を検知できないため、人やモノを押しつぶすことが絶対にないと信頼できないからだ。

この分野におけるFacebookの仕事は、新しいアイデアではなく、効果的なアプローチをより使いやすく、手頃な価格で提供することである。ソフトウェアのフレームワークは公開されており、デバイスもかなり安価に購入できるものばかりなので、他の研究者もこの分野に参入しやすくなるだろう。

画像クレジット:Facebook

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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