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イーロン・マスク氏が株売却の是非をツイッター投票で問う、背景には迫り来る多額の税金支払い

Tesla(テスラ)のElon Musk(イーロン・マスク)CEOが、6280万人のソーシャルメディアのフォロワーに対して、自身が保有する自社株の10%を売却することを支持するかどうかを尋ねたところ、米国時間11月8日月曜日の朝、テスラの株価は4.5%下落した。もっとも、いずれにせよマスク氏がまとまった量のテスラ株を売却する可能性は高い。

マスク氏の問いかけには、全投票数の約58%に相当する約350万人が賛成票を投じた。同氏はその後のツイートで「この投票結果がどちらに転んでもそれに従う」と述べている。彼の言葉を信じるならば、それは将来的に大量の株式売却が行われることを意味する。

最近、含み益が租税回避の手段になると言われていますが、私はテスラ株の10%を売却しようかと思っています。

これを支持しますか?

だが、このツイートは単なる芝居にしか見えない。マスク氏はすでに他の公式声明でテスラ株の大量売却を示唆していたからだ。9月にテクノロジー系ジャーナリストのKara Swisher(カーラ・スウィッシャー)と対談した際、マスク氏は自身が保有するテスラのストックオプションの大部分が、来年8月に期限切れとなることを認めている。「来年初めに失効するストックオプションをたくさん持っているので、第4四半期には大量のオプションを売却することになるだろう」と、マスク氏は語っていた。

2012年に役員報酬の一環として付与されたストックオプションにかかる税金も控えている(マスク氏は、テスラから給与を受け取っていないと頻繁に発言している)。2012年に1株あたり6.24ドル(約700円)で付与された株の譲渡益には所得税が掛かるわけだが、テスラの株価は現在1200ドル(約13万5000円)を超えている。オプションを行使した場合、150億ドル(約1兆7000億円)以上の税金が課せられることになる。

今回のツイート投票が、一時的に株価を押し下げる以上の影響をもたらすかどうかは不明だが、マスク氏のソーシャルメディア上における悪ふざけは、かつて株主との間で困った事態を引き起こしたことがある。2021年3月、マスク氏はテスラの投資家から、彼の「気まぐれなツイート」が、米国証券取引委員会との和解案に違反しているとして訴訟を起こされた。この和解案では、テスラの取締役会がマスク氏のソーシャルメディア活動を監視しなければならないことになっていた。

この時の訴状で引用されたツイートの中には、2020年5月にマスク氏が投稿した「Tesla stock is too high IMO.(私の意見を言わせてもらうと、テスラの株価は高すぎると思う)」というものもあった。

画像クレジット:HANNIBAL HANSCHKE/POOL/AFP / Getty Images

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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