テレワーク・テクノロジーズは11月9日、空室に悩むホテルなどに上場企業テレワーカーを送客する新サービス「テレスペ」を2022年1月中旬より開始することを発表した。それに先駆け、本日よりホテル施設など1万室を募集している。
上場企業専用の法人向け新サービスを2022年1月中旬スタート
テレスペは、上場企業専用の法人向けテレワーク個室予約サービス。利用側の上場企業法人会員6万人を確保しており、オフィス縮小による家賃のコストカット、全国の社員居住地近くに個室を提供する職住近接の実現など、人口減少社会における「上場企業総務部の新しい働き方導入」を支援する。
従来のホテルなどのテレワークプランは、ホテル側主導で空き時間を提供するプロダクトアウト型サービスであり、企業がオフィス代わりに利用するには難しい側面があった。そのため、個人の単発利用に終わり、市場として大きく成長することはできなかったという。
これに対してテレスペでは、実験を重ねて作り上げたマーケット主導型サービスとして提供を行う。ホテル側ではなく、利用する法人側と2021年3月より対話を開始し、利用側の希望に合わせたUX設計を行なったそうだ。法人社員が家の近くで丸1日、毎月2回反復して利用するというスタイルを想定している。コロナ禍をキッカケとしてオフィスを縮小した企業が、削減したオフィス経費で社員の自宅近くに「フレキシブルなオフィス」として使える場所を提供するものとなる。
ホテルなど施設側のメリット
テレスペの予約は、1週間前まで行なえないシステム(火曜日の予約は前週火曜日から予約受付)になっているほか平日の日中だけを利用するため、団体旅行や個人旅行といったホテルの本業を邪魔をしないという。1週間前に売れ残ってしまった部屋やドタキャンで空いた部屋だけを収益化するとしている。
またベッドとシャワーの利用NGという条件で掲載可能なので、ベッドメイキングの手間も必要ない。上場企業総務部もそうした利用法を希望しているとのこと。東京都心部に一極集中するシェアオフィスとは異なる経済圏を生み出し、将来的にはワーケーションや移住など地方との連携も視野に入れているという。
従来のレンタルスペースサービスと異なる4つの特徴
- 利用が1日単位:1時間単位の時間貸しではなく、1日から数日の利用
- 法人社員がリピート利用:個人は1回きりだが、法人社員はオフィス代わりに毎週利用
- 6万人の利用登録:すでに6万人の登録がある。1日6000人の利用が見込める
- 利用者は上場企業限定:1月中旬のサービス公開時は、利用者は上場企業社員のみ
さらに、ホテル以外の施設も募集しており、旅館、カラオケ、シェアオフィス個室、シェアハウス個室、空きマンション、ワークブース、飲食店の個室なども想定しているという。電源、Wi-Fi、机、良い椅子、ウェブ会議の声が漏れない程度の防音性を満たす個室であれば業種を問わず掲載可能。Wi-Fiや椅子などの手配をテレワーク・テクノロジーズ側が支援する用意もある。ただし、オープンスペースや天井が空いているなど個室ではないスペースは登録不可。1名用がメインとなる。
現在は、東京・神奈川を中心に全国主要都市での募集となる。首都圏南武線沿線、東横線沿線、川崎周辺などを重点エリアとしているものの、東京都以外なら利用したいという声もあるため、全国からの問い合わせを待っている状態とのこと。
テレワークプランの料金は、施設側が自由に設定することが可能。テレワーク・テクノロジーズ側としては、午前8時~午後7時までの1日プランで、3300円から7700円程度を想定している。テレスペへの掲載料は初期費用・月額掲載料は0円、手数料が予約金額の22%となる。ただし、2022年1月中旬のサービス開始前までに掲載完了した部屋については、2022年中の手数料が11%になる。
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/11/09/telewo-rk/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Hisashi Shibata