そして、追加のボーナスとして、TwitterはScrollのニュース集約サービス、Nuzzel(ナッツェル)を「Top Articles」という名称の新機能として復活させる。
Nuzzelには少数ながら熱心なユーザーベースがおり、TwitterがNuzzelの親会社であるScrollを買収した後、同サービスを終了させたことを残念がっていた。同サービスはTwitterに欠けているツイートの集約レイヤーとして振る舞い、ユーザーのTwitterでつながっている人たちがプラットフォーム上で何を読み、何をシェアしているかを見せてくれる。Twitterのトレンドをただスクロールしていくのと比べて、何が話題になっているのかをよりパーソナルな形で提供する。
この日Twitterは、これと同じ機能をTop ArticlesとしてTwitter Blueサブスクライバーに提供すると発表した。ユーザーは過去24時間に自分のネットワークでもっともよくシェアされた記事を知ることができる。
他にも、保存したツイート(別名「ブックマーク」)をフォルダーで整理して見つけやすくしたり、Twitterのテーマのカスタマイズや、カスタムアプリアイコンの選択、Twitterの長いスレッドをワンタッチで読みやすくフォーマットされた形で閲覧する方法などがTwitter Blueで標準提供される。
そしてもちろん、Twitter Blueは、Twitterで一番求められてきた機能である「edit」(編集)ボタンに最も近いものとして、「Undo Tweet」(ツイートを取り消す)ボタンをサブスクライバーに提供する。これは、ツイートの投稿が完了する前にユーザーがタイプミスを見つけて修正できるもので、すでに公開されたツイートを修正することはできない。
Twitter Blueにはパーソナライズ機能もいくつかある。テーマの変更、カスタムアイコンに加えて、アプリ下のナビゲートタブを、Twitteスペース、ブックマーク、Top Articles、Monetization(収益化)など、好みのTwitter機能に変更できるようになった。これによってユーザーはTwitterがよりパーソナライズされたと感じられるだろうが、Twitterにとっては、今後推奨したい新機能を目立つ場所に設置する機会が制限を受けることになる。
BlueのサブスクライバーはTwitter Labsも利用できる。Twitterが初期段階の機能をまず実験する場所だ。Twitter Labsは当初、10分間の長いビデオをウェブからアップロードできる(一般ユーザーは最大2分)機能と、気に入ったダイレクトメッセージ(DM)の会話を受信箱のトップにピン留めする機能を提供する。いずれも以前発表されたものだ。
他に、Twitterにシェアされているニュース記事を、広告や邪魔なものを見ることなく読める機能が追加された。この機能も、TwitterがScrollを買収したことで実現したもので、Scrollがやっていたのと実質的に同じように動作する。同社は数百社のパブリッシャーと提携して、リンクをクリックしたTwitter Blueサブスクライバーに、高速読み込み、広告無しの閲覧体験を提供する。主な参加パブリッシャーには、The Washington Post、BuzzFeed / BuzzFeed News、Rolling Stonre、Variety、Deadline、The Hollywood Reporter、IndieWire、Huffpost、The Atlantic、Insider、USA Today、MacRumors、BGR、Slate、Daily Beast、Miami Herald、Stylecaster、TV Line、Salon、Mother Jones、 The Sacramento Bee、The Philadelphia Inquirer、SEJなどがいる。
Twitter Blueメンバーが対象サイトにリンクされたニュースをクリックすると、広告のない閲覧体験を、Twitterではなく、パブリッシャー自身が提供する。現在300社の米国拠点サイトがTwitter Blue上にあり、今後「もっと増える」とTwitterは言っている。
高速読み込みや邪魔の入らないニュース閲覧は、FacebookのInstant ArticlesやGoogleのAMPなど他のテック巨人も提供している機能だ。しかしこれらの取り組みは、パブリッシャーを特定のフォーマットに縛り付けることで、プラットフォームにおける発見性を支配しかなねい、として議論になっている。プラットフォームが収益の増額などの約束を守らない、あるいはパブリッシャーに提供するユーザーデータが限られているなどという批判を受けたこともある。
しかしTwitterは、同社のニュース閲覧機能はサブスクライバーがお気に入りのサイトを支援する方法の1つであり、Twitter Blueのサブスクリプション料金の一部は協賛パブリッシャーに直接支払われると強調した。アプリには、ユーザー自身が閲覧したことでどのサイトが支払いを受け取ったか、いくら収益を上げたかがわかるグラフもある。
このプランは、少額支払いが広告よりも多くの収益を生むようにするためのものだとTwitterは言っている。
「私たちのゴールは、各サイトがユーザー1人あたり、その人に広告を配信するよりも50%多く収入を得られるようにすることです」とTwitterのプロダクト担当シアニディレクターのTony Haile(トニー・ヘイル)氏が新機能の紹介で語った。「Twitterでは、すぐれた公共の場での対話には、ジャーナリズムエコシステムの繁栄が必要であることを認識しています。そのためにBlueでは、サブスクライバーにとってのよりよいインターネットだけでなく、ジャーナリズムにとってもよりよいインターネットを実現しようとしています」と付け加えた。
しかしこうした少額支払いは、読者にサイトを直接訪れさせることで、広告だけでなくサイトが提供するその他のプロモーションや取り組みと出会うことから得られる潜在収益を完全に置き換えるまではいかない可能性がある。サブスクリプションや無料 / 有料ニュースレター、チケットなど、パブリッシャーが読者に見せたいものはいろいろある。Twitter Blueの読者は、一般ウェブ読者のようにサイトを再訪問できなくなり、総合的なエンゲージメントがを減らす可能性もある。
Twitterは、Twitter Blueの機能の一部は、開始当初、地域やプラットフォームによって変わる可能性があると語った。
Top Articlesは、Androidおよびデスクトップでまず提供される。アプリアイコンやテーマなどのパーソナライゼーション機能、カスタムナビゲーションとDM対話のピン留めはiOSのみだ。長時間ビデオのウェブからのアップロードは、当然、デスクトップのみ。
この日の公開によって、Twitter Blueは米国、カナダ、オーストラリア、およびニュージーランドで利用できるようになった。同社は今後このサブスクリプションを他の市場でも提供する予定だが、現時点では計画についてコメントできないという。
画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch
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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook )