Twitter(ツイッター)がNFTを無料で配布したり、ビットコインによる投げ銭を可能にしたことを覚えているだろうか?創業者兼CEOのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏のTwitterプロフィールが文字通り「#bitcoin」であることを考えれば、同社が暗号資産やその他の分散型技術に関心を持っていることは驚くことではない。米国時間11月10日、Twitterは暗号技術チームを正式に立ち上げると発表した。このチームは「ブロックチェーンとWeb3に関するあらゆることの中核的研究拠点」になることを目指していると、同社はTechCrunchに語った。
このチームは当初、暗号支払い(ビットコインによる投げ銭、チケット制スペースの暗号支払い)、クリエイターの収益化の機会(NFTツール構築)、ソーシャルメディアの分散化(web3に向けた一般的な動きの一部)を検討する。このチームのリーダーに指名されたエンジニア、Tess Rinearson(テス・リネアーソン)氏のTwitterスレッドによると、Twitter Cryptoは「アイデンティティ、コミュニティ、所有権などで可能なことの限界を押し広げる手助けをしたい」と考えているという。
As I build out the team, we’ll be working to figure out what crypto can do for Twitter, as well as what Twitter can do for crypto. Twitter truly “gets” crypto (hello bitcoin tipping & NFTs!) but there’s so much more to explore here.
— Tess Rinearson (@_tessr) November 10, 2021
短期的には暗号支払いやNFTギャラリーが最も低いハードルだが、今回の動きは、Twitterがソーシャルメディアの分散化に向けてより広範囲に推進していることを示している。それにより、ネットワークはAmazon Web Services(AWS)のような企業がホストするサーバーではなく、ブロックチェーン上で独立して運営されることが可能になる。しかし、一部の研究者は、これらの分散型システムが、特に過激な政治的コンテンツに関連したコンテンツモデレーションの問題にどのように対処するかを懸念している。
Twitter Cryptoは、「分散型ソーシャルメディアのオープン標準」を構築することを目的とした「bluesky(ブルースカイ)」という、Twitterが出資している初期段階のイニシアティブと密接に連携していく。ビットコインやイーサリアムなどの暗号通貨をコントロールする銀行がないのと同じように、blueskyプロトコルの開発はTwitterが主導しているが、1つのソーシャルネットワークがblueskyプロトコルをコントロールすることはないだろう。ブロックチェーン技術を模索している主要なソーシャルプラットフォームは、Twitterだけではない。つい2日前の米国時間11月8日、Discord(ディスコード)の創業者兼CEOであるJason Citron(ジェイソン・シトロン)氏は、Discordが人気の暗号資産ウォレットサービスであるMetaMaskとの統合に取り組んでいることをツイートで示唆した。一方、Reddit(レディット)はNFTプラットフォームのエンジニアを募集している。
画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch
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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)