Rocket Labが今夜(米国時間11/10)、その再利用事業をさらに一歩進めて、同社のElectronロケットから三度目のブースター回収を行なう。
その「Love at First Insight」と呼ばれるミッションは、東部時間午後11時25分(日本時間11月11日午後1時25分)に、ニュージーランドのマヒア半島の打ち上げ基地より離陸する。打ち上げの実況中継はRocket LabのWebサイトで見られる。
Rocket Labは一段ブースターの回収に過去二回成功している。それは、SpaceX以外では同社だけだ。最初の回収は2020年11月、次が2021年5月だったが、後者ではペイロードをすべて失った(後述)。どちらのブースターもパラシュートで着水し、すべてが計画通りなら今夜のブースターもそうなる。しかし今度の回収にはおまけがあって、ブースターの降下を追尾し観察するためにヘリコプターが近傍でホバリングする。
このヘリコプターの参加はたいへん重要で、Rocket Labsがその再利用計画の究極の目標に近づいたことを意味している。つまりそれは、パラシュートでブースターの降下速度を減衰して空中でそれを捉えることだ。今夜のヘリコプターはまだ空中捕捉を試みないが、今後のそのやり方の実行性を検証するためのテストを行なう。
CEOのPeter Beck氏は声明でこう言っている: 「私たちはElectronの降下の完全なコントロールに成功し、ステージを海から引き上げることができた。そこで今度は、次の段階へ進む。それは、ブースターが宇宙から地球へ下降するとき、ヘリコプターがロケットをキャッチすることだ。野心的な試みだが、これまでの各回の回収ミッションでハードウェアと工程を改良してきたから、不可能を当たり前に変えることができるだろう」。
ミッションの主な目標は画像衛星BlackSky Earthを二基、軌道へ送ることで、Rocket Labと打ち上げサービスSpaceflightの合意では、BlackSkyのために立て続けに五基を打ち上げる計画の一部だ。衛星の打ち上げは8月を予定し、ほかにも二基が計画されていたが、ニュージーランドの小規模なコロナウイルス禍によりロックダウンが敷かれ、ロケットの打ち上げも遅れた。
CEOのPeter Beck氏は第三四半期の決算報告で投資家に対し、「全世界的に厳しいCOVID-19対策により計画が阻害された。現在敷かれている在宅命令により、打ち上げの実行は妨げられている」、と弁解している。
二基のBlackSky衛星はすでに軌道にある他の七基と合流する。それはこの地理空間情報企業が、年内にそのコンステレーションを14基の衛星へと拡大する計画の一環だ。今年初めにBlackSkyの衛星二基が、Electronの第二段点火の直後に起きた重大な異状により失われた。
これはRocket Labの22回めのElectronの打ち上げであり、今年の5度目のミッションだ。
(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hiroshi Iwatani)
画像クレジット: Rocket Lab
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