リチウムイオン電池はスマートフォンだけでなく、電気自動車などさまざまな機器に使われるなど需要が拡大しており、リサイクルをしないと数十年後には製造に必要な資源が不足する可能性が指摘されています。
新たに発表された研究結果によると、リサイクルされた材料を使ったリチウムイオン電池は、新規製造したものよりも50%長持ちすることがわかったそうです。
充電可能回数が50%向上
マサチューセッツ州にあるウースター・ポリテクニック研究所の材料科学者であるヤン・ワン氏は、リサイクルされた材料を使ったリチウムイオン電池は、新規製造されたものよりも充電可能回数が50%向上することを発見しました。
満充電容量が30%低下するまでの充電回数が、新規製造されたものは7,600回であったのに対し、リサイクル材料を使用したものは11,600回であったとのことです。
リサイクルの方法としては、使用済み電池を細断して電極を取り出し、電池の破片から金属を溶かして酸性溶液に入れます。
溶液のpHを調整することで、鉄や銅などの不純物を除去し、ニッケル、マンガン、コバルトの3種類の主要金属を90%以上回収し、正極材料の原料にしました。
コバルトなどの材料供給不足解消に役立つ?
リチウムイオン電池の需要は拡大しており、コバルトなどの材料が不足する傾向にあるといいます。
リサイクルを促進することが資源の有効利用につながりますが、メーカーのなかにはリサイクルされた材料に含まれる不純物によって電池性能が低下することを懸念する声があるそうです。
また、コバルトは主にコンゴ民主共和国で採掘されていますが、その採掘環境は奴隷のようなものともいわれているそうです。
今回の研究結果がさまざまな問題の解決につながるかもしれず、消費者としても積極的にリチウムイオン電池のリサイクルに協力したいものです。
Source: Science News via Notebookcheck
(ハウザー)
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- Source:iPhone Mania
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