SpaceX(スペースX)の衛星インターネット事業であるStarlink(スターリンク)は、顧客がスターターキットで入手できる新しいユーザー端末を導入した。The Vergeが最初に報じたところによると、同社は、当初の円形モデルよりも小型・軽量化された長方形のオプション(PDF)を提供開始した。Starlinkの衛星インターネットサービスを利用するには、屋根の上など、空がよく見える場所にアンテナを設置する必要がある。
オリジナルバージョンは幅23インチ(約58.4cm)の標準的なパラボラアンテナだが、新型の長方形バージョンは幅12インチ(約30.5cm)、長さ19インチ(約48.3cm)しかない。また、重さも9.2ポンド(4.2kg)と、円形モデルに比べて約半分になっている。小型化されたことで、ユーザーは設置場所の選択肢が増えた。また、長方形の端末には、地面に刺すだけでアンテナを屋上に設置する必要がない長いポールなど、アクセサリーのオプションも増えている。SpaceXは2020年末にベータサービスとしてStarlinkを開始し、月額99ドル(約1万1300円)で同社の衛星インターネットへのアクセスを顧客に提供した。ただし、アンテナ、スタンド、電源ユニット、WiFiルーターを含むハードウェアキットには、499ドル(約5万6800円)の追加費用がかかる。SpaceXのGwynne Shotwell(グウィン・ショットウェル)社長は8月、オリジナルバージョンのアンテナの製造コストは当初3000ドル(約34万1600円)で、それを1300ドル(約14万8000円)にまで下げることができたものの、それでもキットの販売は赤字だったと語っていた。
ショットウェル氏は当時、2021年発売する端末は、現在のユーザー端末の「およそ半分の価格になる」とも述べ、同社はそれを再び半額にすることができるかもしれないと語っていた。だがVergeは、ハードウェアキットが長方形アンテナをつけても以前と同じ499ドルで販売されていることを指摘しており、SpaceXは将来的により低価格で販売するかどうかをまだ明らかにしていない。同じ値段を払っても構わないという潜在的な新規顧客は、米国内であれば、キットを注文する際に長方形の端末を選ぶことができる。
編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Mariella Moon(マリエラ・ムーン)氏は、Engadgetのアソシエイトエディター。
画像クレジット:Starlink
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(文:Mariella Moon、翻訳:Aya Nakazato)