埼玉県深谷市は、アグリテック企業を誘致・集積し、農業課題の解決を図る取り組み「DEEP VALLEY」を推進中。その中で、地元農家である農業生産法人 有限会社ファームヤードと、ロボットメーカーである株式会社アトラックラボと株式会社アームレスキューが協業し、キャベツ搬送ロボットを開発しました。
農家主導で開発
収穫したキャベツは、人力台車やクローラー型エンジン台車を使い畑から運び出すのが一般的。しかし、キャベツを詰めた箱は1箱10kg以上あり、数十箱を載せて移動するとなると人力台車には2、3人が必要となります。また、エンジン台車では、細かな方向転換や速度調整のレバー操作が必要となるうえ、機械重量が重く移動が容易ではないなどの問題があったようです。
なお、今回の開発を主導したのは農家のファームヤード。野菜の安定供給・遊休農地の解消・雇用の安定などを目指し、新しい試みに挑戦している企業です。同ロボットは農家ならではの視点で農業課題を捉えた、実用的な製品といえるでしょう。
「DEEP VALLEY」とは?
深谷市が取り組む「DEEP VALLEY」は、アグリテック企業を誘致・集積し、アグリテック企業と農家、またはアグリテック企業同士をマッチングすることで、農業課題の解決を目指そうというもの。
高齢化による担い手不足や耕作放棄地の増大、生産性・ブランド力低下による収益減少などの負の連鎖を引き起こす農業課題をテクノロジーを活用して解決し、就農者の確保や生産性向上、収益の増加へとつなげていくという取り組みです。
参画企業は、リアルな農業現場を学べる場や協力農家との対話から、農業の知識を得るとともに課題を把握することが可能。また、実証フィールドも提供されるため、スピーディーな開発が期待できるでしょう。
現在、「DEEP VALLEY」の公式サイトでは、作業補助をはじめ、生産管理、環境制御、マーケティングなどさまざまなカテゴリのアグリテックが紹介されています。
(文・Higuchi)
- Original:https://techable.jp/archives/166922
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口