スマートフォン向けシステム・オン・チップ(SoC)市場で高いシェアを誇るMediaTekが、次はPC市場に手を伸ばそうとしています。
Arm版Windows向けチップの開発に意欲を示し、この分野でもQualcommと競合しそうです。
Arm版Windows向けチップに全力で取り組んでいるMediaTek
MediaTekの最高経営責任者(CEO)であるリック・ツァイ氏は先月、Microsoftと提携してArm版Windows向けのチップを開発したいと述べていました。
同社のマーケティング担当副社長兼ゼネラルマネージャーのフィンバー・モイニハン氏も、Android Authorityによるインタビューのなかで、「私たちはこの分野に全力で取り組んでいる」と述べ、すでにMediaTekがArm版Windows向けチップの開発を開始していることを明らかにしました。
モイニハン氏は「Dimensity 9000を見てもらえれば、MediaTekにはArm版Windowsに対応したソリューションを提供する能力があることがわかるかと思う」と延べ、自信をのぞかせました。
ただ、この取り組みは長期的なものであるとし、直近でチップをリリースする予定はないようです。
GPUドライバやソフトウェアのエミュレーション、周辺機器との接続などに多くの時間と労力が必要であるとしています。
QualcommとPC向けでも競合
Arm版Windows向けのチップについては、すでにQualcommがSnapdragonシリーズでこの分野向けの製品を提供しており、AppleのMシリーズの競合となるような性能を持つ製品のリリースも予告しています。
このためMediaTekはPC向けチップ分野でもQualcommと競合することになります。
MediaTekはIntel製CPU搭載PC用の5Gモデムを製造しており、すでにPCメーカーと関係が構築されている点がアドバンテージとなるでしょう。
また、Armアーキテクチャを採用したChromebook向けチップ市場においては、MediaTekは高いシェアを誇っています。
MediaTekやQualcommのこれらの動きに対して、Windows向けチップ市場で大きなシェアを持つIntelが黙っているはずはなく、白熱した戦いが繰り広げられそうです。
Source: Android Authority, XDA
(ハウザー)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-420847/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania