医療界では今、働き方改革の必要性が唱えられており、医療従事者の勤務環境の改善は、国を挙げて取り組む課題とされています。なかでも、アンケート調査結果によると、医師が負担感を感じているのは、診察そのものではなくカルテの入出力作業なのだそう。
そのような背景を受けて、kanata株式会社(以下、kanata)がリリースしたのが、診察のための音声認識ツール「kanaVo」β版です。
診察のための音声認識ツール「kanaVo」
今回のリリースは、音声解析による電子カルテ入力支援システム「スマート医療秘書kanata!」に寄せられた意見に対応したもの。「スマート医療秘書kanata!」は、診察中の会話の音声認識結果を自然言語処理が要約し、それをRPAにより電子カルテに自動転記するサービス。
「スマート医療秘書kanata!」のユーザーからは、音声認識精度の向上を求める声が数多く寄せられていたとのことです。医師は限られた診察時間で患者を診る必要があるために早口になりがちなこと、加えて、コロナ禍でマスクを着用していることが、音声認識の精度に影響していたといいます。
これらの声を受けて開発されたのが、診察のための音声認識ツール「kanaVo」です。マスク越しの早口発話を高精度で認識することを目指しています。カルテ形式(SOAP形式など)に要約する機能も搭載。操作はクリックするのみで簡単。深層学習と連携しているため、使い続けることで賢くなります。
パソコン操作が苦手な医師や、音声認識には興味があるものの、精度や料金に不安があり、今までチャレンジできなかった医師などに合ったサービスと言えます。
医療現場の働き方改革に貢献
「kanaVo」製品版は、2022年新春にリリース予定で、毎月5時間までは無料で利用可能です。
kanataは今後、看護師や歯科医師、獣医師、介護士、弁護士など、医師と同様に会話から情報を得て資料を作成することが求められる業界でも「kanaVo」が活用できるよう開発を進めるとしています。
(文・和泉ゆかり)
- Original:https://techable.jp/archives/167767
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:izumiyama