クレジットカード会社はこぞって「後払い販売(BNPL、buy now, pay later)」への参入を進めようとしている。American Express(アメリカン・エクスプレス、mAmex)は米国時間12月2日、オーストラリアのフィンテックOpenpay(オープンペイ)の米国法人であるOpy(オパイ)と提携して、米国の全カードメンバーがヘルスケアおよび自動車関連の指定商品を分割払いで購入できるようにする。
この提携は、American Expressにとって米国で初めてのサードパーティーBNPL契約だと、同社広報担当者がTechCruncにメールで伝えた。Amexは、対象セクターの売り手開拓を支援する。
Opyはこのソリューションを、従来型BNPLモデルの改善バージョンだと説明し、「buy now, pay smarter(今買って、賢く支払う)」と称している。Opyは利用者に最大2万ドル(約226万円)を一度に貸し出し、最大24カ月の支払いプランを固定金利で提供する。これはAffirm(アファーム)やKlarna(クラーナ)などの企業が提供する短期分割払いとは異なっている。
American Expressは、独自のBNPLサービスを「Pay it Plan it」プログラムの名称で2017年から100ドル(約1万1300円)以上の買い物を対象にすでに提供中で、金利はやはり固定だ。Opyとの提携によって、Amexは高額の買い物を長期にわたって支払う選択肢を望む顧客に答えることができるだろうと、Opy U.S.のCEOであるBrian Shniderman(ブライアン・シュナイダーマン)氏がTechCrunchに話した。
「大きい買い物、すなわちこれは当社が特化している1000ドル(約11万3100円)から2万ドル(226万2700円)のモノを買う時、60日というのは十分な支払期間ではありません」と同氏は語った。
9.99%以下の低い金利を可能にしているのは、ターゲットが財務に明るい顧客からなる非常に特別な層だからだ、とシュナイダーマン氏はいう。顧客の平均年齢は40歳で、ちなみに他のBMPLプロバイダーの平均的顧客は20代だと彼は付け加えた。ヘルスケアと自動車部門だけでなく、Opyは住宅修繕と教育的資格獲得のための融資も行っているが、これらはAmexとの提携には含まれていない。
「当社のサービスは予測可能で透明性があります。他の後払い決済サービスを見ると、延べ払い利息や、支払いできなかった時の未払い利息があります。0%利息のはずが、融資期間全体に非常に高い利息がかかっているかのように再計算されます」と話すスナイダーマン氏は、元の職場であるDeloitte(デロイット)でAmexと密に協力した経験がある。
Amexの主要なライバルたちも最近BNPLに進出を果たし、Stripe(ストライプ)やSquare(スクエア)などの決済会社に対抗しようとしている。Mastercard(マスターカード)は、独自のMastercard Installmentsサービスをこの秋に提供開始し、その後すぐに、Visa(ビザ)もKlarna(クラーナ)とのブランド提携を発表した。
編集部注:Mary Ann Azevedo(メリー・アン・アゼベド)氏が本稿に協力した。
画像クレジット:Omar Marques/SOPA Images/LightRocket / Getty Images(Image has been modified)
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(文:Anita Ramaswamy、翻訳:Nob Takahashi / facebook )