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【検証】14インチMacBook Pro、高速充電の動作は?小型充電器も使える?

MacBook Pro  高速充電検証
 
新型MacBook Proが対応した高速充電について、使用するポートや、電源アダプタによってどの程度の影響があるのか、M1 Pro搭載の14インチMacBook Proを使って高速充電の挙動をチェックしてみました。

MacBookシリーズで初対応の高速充電

M1 ProとM1 Maxを搭載した新型MacBook Proは、MacBookシリーズとして初めて高速充電に対応し、バッテリー残量0から30分間で50%まで充電することが可能になりました。
 

 
筆者が購入した14インチMacBook Pro(10コアCPU搭載M1 Proモデル)には、96WのUSB-C電源アダプタが付属します。
 
この電源アダプタは、高さと幅が約8センチ、厚さ2.7センチ、重量295グラムと、日常的に持ち歩きたくなる大きさと重さではありません。
 

 
ちなみに、先日まで約4年間愛用していた13インチMacBook Proの61W電源アダプタも、約7.5センチ x 7.5センチ x 2.3センチ、重量192グラムと、かなりの存在感です。
 

 
そこで、MacBook Proを高速充電するのにこの大きな電源アダプタがどの程度威力を発揮しているのか?どのサイズのアダプタを持ち歩けば十分なのか?を知るための検証をしてみました。

MagSafe 3とUSB-Cの充電速度を比較

新型MacBook Proに設けられたMagSafe 3ポートと、USB-Cのポートによる充電速度を比較してみます。
 

 
バッテリー残量の警告が表示される残量10%から100%まで充電し、電流計で計測した出力(W)とバッテリー残量の推移を比較します。
 

 
計測は、Appleのバッテリー駆動時間の検証と同様にディスプレイの明るさを暗い方から8段階目の明るさ(最大輝度の半分)に設定し、バッテリーの設定をデフォルトの「バッテリー充電の最適化」をオンにした状態で、Safari、Pages、Numbers、Apple Musicを開いた状態で行なっています。
 

 
ケーブルは、14インチMacBook Proに付属のUSB-C – MagSafe 3ケーブルと、13インチMacBook Proに付属のUSB-Cケーブルを使用しています。
 
満充電になるまでの時間は以下のとおりでした。
 

 

バッテリー残量(%:棒グラフ)と電源アダプタからの出力(W:折れ線グラフ)の推移をグラフ化してみました。
 
こちらがMagSafe 3ポートを使用した場合のグラフです。
 

 
こちらがUSB-Cポートを使用した場合のグラフです。
 

 
出力には波がありますが、バッテリー残量に応じて、おおよそ以下のように出力が制御されていることがわかります。
 

 
余談ですが、61W電源アダプタが付属する13インチMacBook Proに、96W電源アダプタから電源を供給してみましたが、供給される電力が61W以上になることはありませんでした。
 
同様に、iPhone13 ProやiPhone12 Pro Maxに、61Wや96Wの電源アダプタを接続しても、供給電力が20W以上になることはありません。

バッテリー残量80%を超えるとゆっくり充電

バッテリーへの電流制御についてAppleは、残量が約80%を超えたら充電速度を落とすことでバッテリーにかかる負担を抑え、耐用年数を伸ばすためと説明しています。
 

 
MagSafe 3ポートとUSB-Cポートでの充電時間の違いは、MagSafe 3ポートのほうが出力の制御が早めに働いていたためと思われます。
 
USB-C – MagSafe 3ケーブルは、ケーブルに強い力が加わったときにコネクタがポートから外れることでMacBook Proを保護できるメリットがあります。ただし、現在は長さ2メートルのケーブルしか発売されていないので、使い方によっては持て余すかもしれません。

コンパクトな電源アダプタはどこまで使える?

付属品の電源アダプタの充電スピードは確認できましたが、日常的に持ち歩くには大きくて重いので、コンパクトな電源アダプタでどこまで代用できるかを検証してみます。
 
検証には、先日レビューでご紹介した、第2世代の窒化ガリウム(GaN)技術を採用したAnkerの小型電源アダプタ「Anker PowerPort lll 2-Port 65W」(1ポート使用時の最大出力65W)と、「Anker Nano II 45W」(最大出力45W)を使用しました。
 

 
MacBook Proは96Wアダプタでの充電時と同様の条件で、充電にはMagSafe 3ポートを使用しています。
 
バッテリー残量10%から満充電までの所要時間は以下のとおりでした。
 

 
「Anker PowerPort lll 2-Port 65W」の充電状況を見ると、バッテリー残量70%あたりで出力が60W以下に抑えられ、85%あたりで40W以下、97%あたりでは30W以下になるよう制御されていることがわかります。
 

 
「Anker Nano II 45W」でも、45Wのフルパワー出力が続いた後、バッテリー残量80%前後から出力が絞り込まれています。
 

 

フル充電までの所要時間を比較

3つの電源アダプタで、バッテリー残量10%から100%までのおおよその所要時間を表にまとめてみました。
 

バッテリー残量 Apple
96W
Anker
65W
Anker
45W
10%(スタート) 0分 0分 0分
20% 6分 9分 12分
30% 12分 17分 24分
40% 18分 25分 36分
50% 23分 33分 51分
60% 29分 42分 62分
70% 35分 51分 75分
80% 44分 60分 88分
90% 58分 73分 102分
100% 75分 90分 124分
(参考)
アダプタ重量
295グラム 138グラム 69グラム

 

まとめ:軽い負荷の作業なら小型アダプタでも十分

MacBook Pro同梱の電源アダプタは確かにパワフルですが、大きくて重いのが難点です。
 
最大出力65Wや45Wのコンパクトな充電器でも、時間はかかりますがMacを使いながらでも充電できており、充電速度が制御される80%以上なら、充電速度の差が縮まります。
 

 
同梱の96W電源アダプタは、バッテリー残量が少ない状態から短時間で一気に充電したい場合に威力を発揮しますが、バッテリー残量70%〜80%あたりからは出力が抑制されるので、外出先でも電源に接続して使える時間が長いなら、コンパクトな充電器でも十分と思われます。

 
 
参照:Apple MacBook Pro, バッテリー
(hato)

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