Digital World Acquisition Corp.(DWAC、デジタル・ワールド・アクイジション)は最近の提出種類で、予定されているTrump Media & Technology Group(TMTG、トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ)との合併について、米国政府から質問を受けたことを明らかにした。TechCrunchは、このSPAC(特別買収目的会社)と元米国大統領であるDonald Trump(ドナルド・トランプ)氏と関連のある企業との合併計画についてこちらで報じている。
TechCrunchは、この合併の契約や製品目的や全体的雰囲気すべてに対して非常に懐疑的だった。
- 10月後半The New York Timesは、トランプ氏がDWACのCEOであるPatrick Orlando(パトリック・オーランド)氏とSPACが作られる前の段階で会話していたことを報じた。「その際、オーランド氏のSPACはセキュリティ法や証券取引規則を回避した可能性がある」と同紙は伝えていた。
- DWACとTMTGは「合併完了時に10億ドル(約1137億円)分の非貨幣的資本を受け取る契約」を12月4日に結んだとリリースに書かれている。
2件の報道を受けて、Financial Industry Regulatory Authority(FINRA、金融業規制機構)およびU.S. Securities and Exchange Commission(SEC、米国証券取引委員会)が質問していることは驚くに当たらない。
DWACの提出書類に次のように書かれている(強調は筆者による)。
DWACはある予備的な事実確認質問を規制当局から受けており、現在協力している。具体的には、2021年10月後半および11月前半、DWACはFINRAから、2021年10月20日の合併契約公表に先立つ事象(特に取引の見直し)に関する情報要求を受け取った。FINRAによるとその問い合わせは、FINRAが、何らかのNASDAQ規則違反や連邦証券法違反が起きたと断定した、あるいは、関連する証券に関わる利益もしくは当該証券の取引に影響を与えた人物を非難している、と解釈すべきではないという。さらに、2021年11月初めDWACは、SECから任意の情報および文書要求を受けた、具体的にはDWACの取締役会、取引に関わるポリシーと手続き、銀行、電話、およびメールアドレスの識別情報、特定の投資家の識別情報、DWACおよびTMTG間の特定の文書および会話についてである。SECの要求文書によると、その調査はSECが何者かが法律に反したと結論づけたものではなく、SECがDWACあるいはいかなる人物、事象、もしくは証券に対して否定的な意見を持つことを意味するものでもない。
文面からわかるように、同社は不正行為を非難されているのではないことを強調している。とはいえ、それは説明の難しい取引に対する監視としては相当なものであり、大きな疑問をもたざるをえない。
TMTGとDWACの投資家向けプレゼンテーションの内容は薄かった。そして、TMTG製品であるTRUTH Social(トゥルース・ソーシャル)を作るために使われたコードの一部が不正入手されたことがすぐに明らかになった。率直にいってうさん臭い。
このSPACがなぜ、企業というよりアイデアを集めただけのように思われるところと合併したいのかは疑問である。あの評価がどのように決められたのかも謎だ。取引に総額10億ドルを投じた投資家たちも。
一連の出来事は、製品出荷前の企業が通常許されるよりも未熟な状態で上場することを認めた、なんとも奇っ怪なメカニズムがすでに十分白い目で見られているSPACに対する印象をいっそう悪くするものだ。この取引は、ほんの少し前投資家向けに再ブランドだかでSPACと呼ばれるようになった連中に、白紙小切手会社という元の名前を改めて教える出来事だった。
画像クレジット:BRENDAN SMIALOWSKI / Staff / Getty Images
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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook )