アメリカ連邦航空局(FAA)が5G通信の電波による高度計への干渉を理由に、航空機に対して高度計に頼った着陸を制限する可能性があることを発表しました。
視界が悪い状況での着陸が制限され、フライトの目的地以外への着陸がおこなわれたり、スケジュールの遅延が発生したりする可能性があります。
高度計に頼った着陸をおこなわないよう指示する可能性
この問題は、5G通信が利用する一部の電波の周波数が、航空機が利用するレーダー高度計の周波数と近いため、干渉が起きて高度を正確に測定できない可能性があることをFAAが懸念したために起きています。
AT&TやVerizonはこの懸念への対応として、新たな5G周波数帯でのサービス開始を延期したり、電波の送信出力を下げたりしています。
しかしながら、FAAの懸念が解消されることはなく、視界が悪い場合に高度計に頼った着陸を制限する可能性があると発表しました。
FAAのスポークスマンはThe Vergeに対し、「5Gの電波が飛行機の高度計の精度に影響する可能性があるという懸念から、何らかの干渉緩和策が実施されない限り、視界が悪い期間の着陸が制限される可能性がある」と述べています。
航空機の目的地外着陸やスケジュール遅延が発生?
現代の航空機は、誘導着陸システムや自動着陸システムにより、視界が悪い状況でも安全に着陸できるように設計されています。
しかしながら、高度計が使えないとなると、着陸システムを使用できず、目的地外着陸や運行スケジュールの遅延が発生する可能性があるでしょう。
実際FAAの文書には、「これらの制限は、視界の悪い場所へのフライトを中止させる可能性があり、また、目的地外着陸につながる可能性がある」と書かれています。
具体的にどの空港で制限が実施されているかについては明らかにされていませんが、5Gが積極的に展開されている人口が多い都市の空港に対して実施されることが予想されます。
FAAは一方で、「連邦通信委員会(FCC)や携帯電話キャリアと緊密に連携し、5Gの拡大を安全に実施するための取り組みを進めています。継続的な協力により、この共通の目標に到達できると確信しています」としており、解決に向けて協力していく姿勢をみせています。
Source: FAA via The Verge
(ハウザー)
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