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「5年分のリクエストキューが初めてゼロに」社内ツール作成の負担を軽減するAirplaneが約9.6億円を調達し飛び立つ

Airplane(エアプレーン)は米国時間12月9日、内部ワークフローを自動化する開発者向けツール「runbooks(ランブックス)」のプライベートベータ版の提供を開始し、Product Huntに投稿した。

Airplaneのrunbookでは、エンジニアがタスクとビルトイン統合機能(SQL、REST API、Slackなど)を組み合わせて、複雑なマルチステップのワークフローを構築することができる。独自のJavaScriptコードを実行し、それをSQLデータベースに投入したり、Stripe(ストライプ)からデータを結合し、その結果をSlack(スラック)で送信するワークフローを迅速に構築でき、エンジニア以外のチームメンバーもアクセスできるようになっている。

Airplaneは、Benchmarkが支援しているBenchlingの元CTOであるJosh Ma(ジョシュ・マー)氏と、デジタルインサイトのスタートアップHeapの共同創業者であるRavi Parikh(ラヴィ・パリク)氏によって2020年に設立された。開発者を念頭に置いた2人は、エンジニアが社内ツールの構築に費やし、製品エンジニアリングから離れていた時間を取り戻そうと考えた。

Airplaneの共同創業者ジョシュ・マー氏とラヴィ・パリク氏(画像クレジット:Airplane)

パリク氏はTechCrunchに次のように語った。「私たちはアイデアのブレーンストーミングに時間を費やしましたが、自分たちの会社で見た大きな問題点の1つは、社内ツールの不足でした。(既存の)ツールによって顧客データを扱い、データの削除やアカウント統合などの問題を解決することはできましたが、カスタマーサクセスチームは、最終的にエンジニアリングチームにタスクをエスカレーションしなければならないこともありました」。

それによって、毎日何十枚ものチケットが積み重なり、エンジニアリングチームの業務に支障をきたす可能性もある。同社の最初の製品は、ダクトテープで貼られたようなつぎはぎのスクリプトやcronジョブを安全で再利用可能なツールに変換する「Airplane tasks」だったとパリク氏はいう。

リモートファーストの同社は、サンフランシスコとニューヨークに拠点を持ち、設立から間もないにもかかわらず、すでに数社の有料顧客と数百人のユーザーが、管理業務、顧客のオンボーディング、承認フロー、長期的なタスクなど、さまざまなユースケースでAirplaneを使いタスクを構築・実行している。

今回の製品発表は、Benchmarkが主導したシリーズAラウンドで同社が850万ドル(約9億6000万円)の資金を得たことが後押しとなった。今回の投資の一環として、Eric Vishria(エリック・ヴィシュリア)氏がAirplaneの取締役に就任する。

この1年間で、SaaS企業である同社は3カ国で10名のチームに成長した。今回の資金調達により、Airplaneは従業員数を2倍に増やし、セルフサービス製品の構築など、製品や技術の開発に投資することができる。

「以前は数時間、数日、あるいは数週間かかっていたことが、Airplaneでは2分から5分でできるようになりました」とパリク氏は語る。「エンジニアは、デプロイコマンドを実行し、ユーザーインターフェースを設定するだけです。あるお客様からは、当社の製品を採用したことで、5年にわたり積み重なっていたリクエストのキューを初めてゼロにすることができたと言われたこともあります」。

画像クレジット:Cavan Images / Getty Images

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(文:Christine Hall、翻訳:Aya Nakazato)

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