Web3プロジェクト用のソフトウェアスタートアップ「Thirdweb(サードウェブ)」は、Gary Vaynerchuk(ゲイリー・ヴェイナチャック)氏やMark Cuban(マーク・キューバン)氏など、著名なビジネスリーダーや起業家、クリエイターたちから500万ドル(約5億7000万円)の資金調達を完了した。
同社は、デベロッパーがコードを一行も書かずにWeb3プロジェクトを構築、立ち上げ、管理できる無料ツールを3カ月前に発表した。Thirdwebは、Social Chainの創業者であるSteven Bartlett(スティーブン・バートレット)氏と、BeboやAppLovinの創業CTOを務めたFurqan Rydhan(フルカン・ライダン)氏によって設立された。
ロンドンとサンフランシスコにオフィスを構えるThirdwebは、NFT、ソーシャルトークンや通貨、さらにトークン、NFTのルートボックスやドロップを売買するマーケットプレイスなどの機能を、数クリックで追加することを可能にする。
バートレット氏は、Web3と暗号資産に興味を持ち、4年以上にわたってこの分野を追いかけていたとTechCrunchに語った。同氏が初期の暗号投資家だというライダン氏と出会ったとき、2人はWeb3のことで意気投合した。
「私たちは、起業家たちがこのスペースでものを作りたいと思っていること、そして彼らがツールを必要としていることを知っていました」とライダン氏は語る。「私たちはベースとなるアイデアからスタートし、1年かけてThirdwebを構築し、今では数百社のお客様にSDKをご利用いただいています。Stripeが簡単にプラグインできるようにしたように、当社のコードも、誰にでも提供できるように書きました」。
彼らはアーリーアダプターたちと一緒に機能を開発しており、中には1年以上Thirdwebを使い続けているケースもある。また、Nike(ナイキ)、Disney(ディズニー)、Bumble(バンブル)、Meta(メタ)などの企業が、メタバース、Web3、NFTの空間に向けて、ブロックチェーンゲーム、NFTプラットフォーム、DAO、クリエイタープロジェクトなどのアプリや製品の構築を始めたくて、すでにうずうずしているという。
まだ初期段階だが、同社のツールを使って作られた独自なプロジェクトは500件を超えた。当初はアート分野での利用が多かったが、今ではより複雑なWeb3アプリの構築や、スペースを作りたいと考えているゲーテッドコミュニティなど、様々な用途で利用されている。
Thirdwebの目標は、1000以上のデベロッパー、チーム、企業にツールを使ってもらうことであり、ライダン氏は「それに向けて順調に進んでいる」と述べている。
新しい資本は、技術チームと成長チームの両方の雇用に使用され、ユーザーにツールを紹介するためのマーケティングとビデオ資産にフォーカスする予定だ。Thirdwebは、発売されたNFTの売上にロイヤリティや手数料がプログラムされるまでは、無料で使用することができる。その後、同社は二次販売のロイヤリティの5%を取ることになる。つまり、同社の報酬は顧客の成功に直接比例することになる、と共同設立者は述べている。
ヴェイナチャック氏は、メールで次のように述べた。「Web3は始まっており、NFTは私たちが生きている間ずっと存在するでしょう。1995年から2000年にかけて『インターネット』で何が起こったかを見て、その歴史的教訓をもとに、今後5年の間にWeb3でどれだけのことが『修正』されるかを展開してみましょう。Thirdwebがこの変化を加速させてくれることを期待しています。15年前、世界がソーシャルメディアのクリエイターやアーティストで溢れかえるとは誰も信じていませんでした。Web3は今、彼らに自分の創作物を所有し、利益を公平に分配する機会を与えています。私はこのスペースとこのチームを信じています。彼らのビジョンを信じ、機会を信じ、エグゼキューションを信じています」。
画像クレジット:Thirdweb
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(文:Christine Hall、翻訳:Aya Nakazato)