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音楽のNFT販売を支援するプラットフォーム「Sound.xyz」がa16zから5.7億円調達

2021年、私たちはNFT(非代替性トークン)がビジュアルアート販売の経済を揺るがす証拠を山ほど見てきたが、アート世界の別分野、たとえば音楽の経済をWeb3がひっくり返す、という動きはあまり見ることがない。

Sound.xyzは、ミュージシャンがNFTを通じて収益をあげるためのコミュニティを作ろうとしているスタートアップで、ミュージシャンたちを、いわゆる「web3 fold」(ウェブスリー・フォールド)と呼ばれる集団に導くための一連のツールを開発している。2021年12月、同社は最初の製品、Listening Parties(リスニング・パーティーズ)を公開した。アーティストが新曲のリリースにタグ付けされたNFTを販売できるようにするツールだ。

同社はAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)がリードしたシードラウンドで500万ドル(約5億7000万円)調達したことをTechCrunchに伝えた。ラウンドには他に、Variant Fund、Weekend Fund、Scalar Capital、Flamingo、Packy McCormici、および21 Savageらが参加している。

同スタートアップは新進アーティストがNFTを活用し、自分たちの作品をより効率的に収益化できるようすることで、Spotifyなどのプラットフォームで得られるストリーム当たり1セント(約1円)以下の利益を乗り越えて欲しいと思っている。

「私たちはアーティストが自分たちの楽曲を新しい方法で収益化するためのツールセットを作っています」とSoundのCEOであるDavid Greenstein(デビッド・グリーンスタイン)氏がTechCrunchに話した。「私たちが解決したい問題は、『音楽を聴いてもらい、アーティストにお金が入るにはどうすればよいか?』です」。

スタートアップは、コミュニティに参加している数多くの「暗号化に理解のある」レコーディングアーティストたちとパートナー契約を結んだ。早期の作品は、数十曲の限定エディションNFTで、すぐに完売した。1万ドル(約114万円)分のNFTを売ることは、100万ドル(約1億1410万円)のセールスに慣れている業界にとって注目に値しないと感じるかもしれないが、同じ金額をSpotifyで稼ぐために数十万回のストリームが必要なアーティストにとっては大きな違いだとグリーンスタイン氏はいう。同社はアーティストの楽曲に結び付けられたNFTの需要を測定しているので、アーティストはコミュニティにさらにNFTをリリースするインセンティブがある。同社がNFTの販売手数料をとっていないことは注目に値する。

チームは他にも、NFT所有者がストリームにコメントを書いてアーティストに読んでもらう、といった機能も実験している。いずれは、ミュージシャンがファンのクラウドファンディングで新しい作品を作ったり、新しいプロジェクトに挑戦できるツールや、収集家が新しい作品を発見したり自慢するための新しいインセンティブモデルを作ろうとしている。

SoundはNFT音楽分野で唯一のプレイヤーではない。2021年11月、a16z Cryptoは、ロイヤリティをトークン化してファンに販売するNFT音楽プラットフォームであるRoyal(ロイヤル)に投資した。ブロックチェーンを利用した音楽ストリーミングプラットフォームAudius(オーディウス)は、General Catalyst(ゼネラル・カタリスト)とCoinbase Ventures(コインベース・ベンチャーズ)らから、1350万ドル(約15億4000万円)以上の資金を調達た。

関連記事:NFT音楽著作権のスタートアップRoyalがa16z Cryptoの主導で63.1億円調達、前ラウンドからわずか3カ月

画像クレジット:Sound

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(文:Lucas Matney、翻訳:Nob Takahashi / facebook

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