現在、多くの自動車メーカーが注目しているのが、AR-HUD(Augmented Reality Head-Up Display)をはじめとするARソリューション。例えば、ナビゲーションや危険情報などをドライバーの視界に投影し、ドライバーが道路から目を離すことなくリアルタイムに進路状況を確認できるなど、安全運転支援への優位性が認められ、幅広い車種に採用しようとしているようです。
そんな中、韓国ソウル市に本社を置くStradVision, Inc.(ストラドビジョン)とLGエレクトロニクスが、2021年12月20日に提携を発表。両社は、世界の自動車業界向けにARソリューションをベースとした先進的なコックピット計器プラットフォームを開発していく構えです。
カギを握る「SVNet」
両社が目指す、ARコックピットプラットフォームの開発において注目したいのは、ストラドビジョンの物体認識AIソフトウェア「SVNet」が提供するARアプリケーションのための技術でしょう。
「SVNet」は、カメラ映像からディープラーニングによって検知する自動運転車両向けの物体認識AIソフトウェア。現時点で、自動運転レベル2・3の先進運転支援システム(ADAS)機能およびレベル4の自律走行をサポート可能です。
また、14種類以上のハードウェアプラットフォームに対応し、必要とする演算量やメモリ使用量を低減しつつ、高精度の物体検出・認識を実現できることや、製品特性に応じたチップ(SoC)への組み込みなどができることも特徴。カメラ映像を活用する点も含め、低コストでの提供を可能にする特徴を有しています。
世界で採用される「SVNet」
ストラドビジョンは、現代自動車やLGエレクトロニクスなどからの出資を受け、デトロイトや東京などにも拠点を展開。日本市場においては、2020年8月に株式会社ソシオネクストと協業契約を締結し、「SVNet」の日本市場への供給拡大に乗り出しました。
(文・Higuchi)
- Original:https://techable.jp/archives/169381
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口