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ロボットが海をスイスイ泳ぐ未来が来る!? ハーバード大学などがAIを開発

カリフォルニア工科大学・チューリッヒ工科大学・ハーバード大学のエンジニアで構成される研究チームは、自律型ロボットがスムーズに海を航行できるようにする人工知能(AI)を開発しています。

ロボットが自律的に判断

深海に潜むさまざまな情報を取得するための手段として、ロボットを海に送り込むことは容易に想像がつきますが、離れた海面からジョイスティックで操作することは困難でした。また、海面からは海流を検知できないため、ロボットが航行するのに必要な海域のデータを与えることもできなかったようです。

この課題を解決するため、上記3大学の研究チームは新しいAIとそのアルゴリズムを実行するための手のひらサイズの小型ロボットを開発しています。ロボットが円滑に海のなかで移動していくためには、ロボット自らが「どこに行くべきか」「そこに行くために最も効率的な方法は何か」といった判断を自ら行う必要があります。

強化学習ネットワークを活用

そして、このような判断を行うためには遠隔からの操作や情報提供を待つのではなく、ロボットはロボット自身が体感しているリアルタイムの海流情報を駆使しなければなりません。そこで研究チームが注目したのが、強化学習(Renforcement Learning:RL)ネットワークです。

従来のニューラルネットワークに比べ、強化学習ネットワークは、固定されたデータから学習するのではなく、自ら経験値を集めると同時に学習していくことができます。例えば、水中の障害物を通過する際に、反対方向に動く複数の渦が発生するシミュレーションを行い、渦の後流にある低速域を利用して、最小限の電力で目標地点まで惰性で移動するといった対応が可能になります。

興味深いことに、研究チームは、この強化学習アルゴリズムによって「海中で魚が実際に使うと考えられる」戦略よりもさらに効率的な方法を学習できることを発見したようです。「私たちは当初、AIが実際の魚に見られるナビゲーション戦略に対抗できることを期待していただけでした。しかし、コンピュータ上で繰り返し試行することによって、それを上回ることさえ可能であることに驚きました」と研究チームのJohn O. Dabiri氏はコメント。

このテクノロジーはまだ実験段階にあり、今後研究チームは、AIが海洋で遭遇する可能性のあるさまざまな種類の海流の乱れ(渦巻きや潮流など)をテストして、自然界における有効性を評価したいとしています。

Engineers Teach AI to Navigate Ocean with Minimal Energy

(文・Takeuchi)

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