【iPad Hacks_12】
周辺機器フル装備のiPadがあれば、確かにいろんなことができて便利なのですが、ペンやキーボードを揃えるだけでも数万円かかってしまいます。想定する使い方によっては、「物理キーボードは我慢しよう」と諦めた人も多いかもしれません。また、予算に余裕があってキーボードをしっかり揃えられた人でも、ペンをメインに使うシーンでは、キーボードケースを取り外して、ソフトウェアキーボード入力に頼らざるを得ないこともあります。
しかし、iPad mini以外の大型モデルでは、端末を持ち上げながらタッチ操作するのがやや難しい印象です。そこで本稿では、物理キーボードのあり/なしを問わず、文字入力を少しでも簡単にするテクニックを3つ紹介します。知らないものがあったら、ぜひ試してみてください。
1)フローティングキーボードへ切り替え
iPadでソフトウェアキーボードを使う場合には、画面下いっぱいにキーボードが表示されてしまいます。これはiPadを机に置いて両手でタイピングしたい人には良いのですが、iPadを持った状態では入力しづらいのが本音です。
そこで、このソフトウェアキーボードを「フローティング」表示に切り替えてから画面端に寄せることで、スマートフォンに近い感覚での入力を行えるようになります。特にiPhoneでフリック入力をしている場合には、扱いやすさが増すでしょう。
キーボード画面の右下にあるボタンを長押しすると、「フローティング」という選択肢が現れます。長押ししたまま、指を「フローティング」の上まで持っていき、画面から離しましょう。すると、キーボード表示がiPhone等で見慣れた形状に変わります。
フローティング状態になったソフトウェアキーボードは、下部のバー部分をドラッグすることで、画面上の好きな位置に配置できます。効き手側の画面端に寄せることで、扱いやすくなると思います。
また、画面下部に表示されるバー部分にドラッグアンドドロップすれば元の横長のキーボードに戻せます。この戻し方は忘れやすいので、何度も繰り返し操作をして意識的に覚えておくことをお勧めします。
2)音声入力の活用
より入力効率を高めたい場合には、音声入力の併用もお勧めです。最近は、日本語を認識する精度もかなり高くなっているので、キーボード入力よりも簡単に文章を入力できるでしょう。もちろん稀に誤変換等が起きてしまうので、誤変換箇所をピンポイントで手動修正する必要は出てきます。しかし現在の音声入力は、筆者が仕事で原稿を書く場合にも、下書き作りには十分活躍するレベルです。はっきりと滑舌良く、アナウンサーのように話すのが入力精度を高めるコツだと思います。
使い方は簡単。ソフトウェアキーボード上に表示されているマイクアイコンをタップして、話すだけ。ちなみに、地球儀のアイコンをタップすることで、英語の音声入力にも切り替えられます。入力操作が終わったら、キーボードのアイコンか、キーボード以外の画面をタップすれば音声入力が終了します。
なお、物理キーボードを装着している場合には、ソフトウェアキーボードが表示されなくなるので、代わりに画面下部に表示されるマイクアイコンをタップすることで、音声入力を起動できます。
ちなみに、オンデバイス(通信不要)での音声入力をサポートしている機種は、12.9インチiPad Pro(第4世代以降)、11インチiPad Pro(全世代)、iPad Air(第3世代)、iPad(第8世代)、iPad mini(第5世代以降)です。
また、Siriの音声モデルをダウンロードしておく必要があります。「設定」アプリの「Siriと検索」→「Siriおよび音声入力の履歴」の下に「音声入力の処理はiPadで行われますが、」と表示されている場合は、ダウンロード済みです。
3)iPhoneをキーボード代わりにする
いっそのこと、iPadでテキストを入力するのを諦めるという選択肢もあります。iPhoneやMacが手元にある場合、そちらでテキストを入力し、そのテキストをコピーしましょう。ユニバーサルクリップボード機能によって、コピーしておいたテキストをiPadにペーストできます。これを利用して物理キーボードの代わりとしてiPhoneなどを使えるというわけです。
なお、ユニバーサルクリップボードを使うには、各デバイスが同じApple IDでiCloudにサインインしていることや、Bluetooth/Wi-Fi/Handoffがそれぞれ有効になっていることなどが必要です。もしうまく利用できない場合には、まずこうした設定などを見直してみましょう。
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ちなみに、Apple Pencilがあれば、手書き文字をテキスト化できる「スクリブル」機能が使える場面もあります。ただし、こちらはまだアプリによって十分に機能しないことも多い印象です。
場面を問わずiPadのテキスト入力を効率化するテクニックとして、ぜひ今回紹介した3つの方法を試してみてください。
<文/井上 晃>
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