コンバース オールスターが好きです。
初めて履いた中学生の時から数えたら、いったい何十足のオールスターを履き潰しては捨ててきただろう。リーバイス501を初めて履いた時も、初デートの時も足元はオールスターでした。
思い返すとなんだか感傷的になってしまいますが、とにかくまあ、大好きなわけです。それに100年以上もほとんど変わらないデザインが今でも受け入れられているってすごくないですか!?
でもオールスターという靴は、壊れたら捨てて、思い出だけを胸にそっとしまい、また新たに買うもの。僕にとってそれが当たり前のことでした。
ところが最近、コンバースが公式にリペアサービスを始めたというんです。ちょうどいま履いているオールスターがだいぶくたびれてきたところ。どこをどうリペアしてもらえて、そしてどれだけ変わるのか。せっかくなので、お願いしてみることに。
そして先に結論を言うと、「昔履いてたあの希少なオールスター、捨てなきゃ良かった…」と悔いるほど、なんと言うかイイ感じになったんです。
■今まさによく履いているオールスター
リペアサービスに持ち込んだ愛用のオールスターがこのメイドインジャパンモデル。最もベーシックなオールスターとの違いはシルエットにあります。
20年ほど前はよく高円寺の古着屋で80'sの“Made in USA オールスター”を探し歩いたりしていたものですが、このメイドインジャパンモデルはまさに当時探し回って購入した80'sオールスターのシャープでスッキリとしたシルエットに近いのです。他にも、小ぶりな半円形のトウや低めのトウスプリング、風合いあるコットンシューレースなど、クラシックな印象です。
このオールスターはそこまでひどい状態ではないものの、やはりヒールラベルは薄れ、ソールも減ってきています。
サイドテープも切れて剥がれてきています。屈曲する部分なのでここはどうしても傷んでくるんですよね。
ちなみに、コンバースが公式に受け付けているリペアサービスは以下になります。
・踵のすり減りをオリジナルのソールパーツで補強し、新しいヒールラベルをつけるヒールリペアA(5500円)
・踵のすり減りに汎用のソールパーツとオリジナルのヒールラベルを付けるヒールリペアB(4950円)
・サイドテープのリペア(片足2200円)
・オールスタークップシリーズのカップソールをまるごと交換するオールソールリペア(1万1000円)
シューズの種類によって、値段と修理対象かどうかが変わって来るので事前に確認した方が良さそうです。また状態によっては対応が難しい場合もあるとのこと。ちなみに日本国内における正規品ではないものは修理対象外なので注意。コンバースUSAの製品は対象外ですからね。
■職人技で甦っていくオールスター
コンバースとタッグを組み、リペアを担当してくれるのはシューケアのスペシャリストであるFANS.浅草本店の西小路さんです
まずは状態の確認してもらいます。
そして相談の結果、今回はソールを補強するヒールリペアと、サイドテープのリペアをお願いすることにしました。
まずは、新しく付けるオリジナルの補強パーツの形に合うよう、マスキングでソールの削る箇所を決め、削っていきます。
何度も削り、微調整を加え、補強パーツを貼り付けます。この接着剤もオリジナルの配合で作成したものを使用しているんだとか!
次はサイドテープのリペアです。
ソールとアッパーの間に入った汚れを取り除き、コンバースオリジナルのラスト(木型)を使い成形しながらテープを圧着させます。オリジナルのラストがあるっていうのも公式リペアサービスの強みですね。
そしてヒールラベルも貼り替えてもらいます。
真新しいヒールラベルを見ていると、ちょっとずらしてみたい!とか、上下逆さまにつけてみたい!とか変なカスタム欲が湧き上がってきましたが、もちろん公式リペアサービスではカスタムは受け付けられないとのこと。そらそうですよね。失礼しました…。
さあ、あとは後日家に送られて来る完成品を待つだけです
ちなみに今回リペアしてくれたFANS.浅草本店では、コンバースの「オフィシャルリペアサービス」とは別料金になりますが、クリーニングなどその他のリペアも対応しているそうです。
どこまで直せるのかは応相談ですが、西小路さん曰く、「極端に言えば死んだ人を生き返らせるくらいのことは出来ます」とのこと。頼もしい!
FANS.浅草本店 電話:03-5811-1831 営業時間:10:00~18:00 定休日:毎週月、火曜日 住所:東京都台東区雷門2-13-4 岡本ビル1F
■これぐらいがちょうどいい!
そして数日後、リペアが完了したオールスターが自宅に送られてきました。
壊れた愛用品が直って戻って来るのってこんなにも嬉しいことだったのか!
子供の頃壊れてしまったおもちゃを修理してもらった時のような、しばらく忘れていた感情が蘇ります。
新品のヒールラベルが眩しい!
サイドテープは圧着のみですが切れた部分も目立たなくなっています
新品のオールスターって履くのがちょっと気恥ずかしかったりするんですが、リペアを終えたシューズは全体的にはイイ感じに味が出た状態のままで、磨り減ったり破損したりした部分だけがキレイになっています。実はこれがオールスターのベストなコンディションなのでは、なんて思ったり。
オールスターはいつも、あえて1~1.5cm大きいサイズを選び、紐をキュッと締め上げて、より細く見せるようにしています。シューレースをゴム紐に替えると脱ぎ履きがラクになりますよ。なるべく生成色っぽいゴム紐だとヴィンテージっぽく見えてしっくりきます。
最近は、ファストファッションから脱却し、愛着を持って長く楽しむスローファッションの考え方が注目されています。そんな時代の流れにも合うコンバース「オフィシャルリペアサービス」。思い出の詰まったコンバースを蘇らせることはもちろん、もったいなくてなかなか履けなかったヴィンテージのコンバースをようやく履ける時が来たのかもしれません!
<取材・文・写真/田口陽介>
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/421744/
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