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AT&TとVerizon、アメリカ政府からの要請を拒絶して5G通信網拡大

建設中の5G通信アンテナ
 
アメリカで巻き起こっている5G通信の電波が航空機のレーダーに干渉するという問題に対し、AT&TとVerizonがアメリカ政府からの要請を拒絶して5G通信網の拡大に踏み切りました
 
航空会社の業界団体は、空港周辺に問題の5G通信網が展開された場合には裁判を起こす可能性があるとしています。

AT&TとVerizonがアメリカ政府の要請を拒絶

この問題は、5G通信で使われる「Cバンド」と呼ばれる3.7GHz~4.2GHzの周波数帯の電波が、航空機のレーダー高度計に干渉する可能性があるとアメリカ連邦航空局(FAA)が懸念を示したことに始まっています。
 
アメリカ運輸長官のピート・バティギーグ氏と連邦航空局長のスティーブ・ディクソン氏がAT&TとVerizonの最高経営責任者(CEO)に対し、この周波数帯の電波を使った5G通信網の商業展開を2週間延期するよう要請していました。
 
しかしながら、AT&TとVerizonはこのアメリカ政府からの要請を拒絶し、5G通信網の拡大に踏み切ったとのことです。
 
VerizonとAT&TはCバンドの利用権取得のために680億ドル(約7兆7,574億円)を投じています。
 
日本でも、ドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルがCバンドに含まれる周波数帯を割り当てられています。

空港周辺への展開は6カ月おこなわない

ただしAT&TとVerizonは、レーダー高度計が使われる空港周辺へのCバンドの展開は6カ月間おこなわないとしました。
 
5G通信網の展開をおこなわない範囲は、フランスですでに使用されているものと同じものを採用するとのことです。
 
両社は「物理法則はアメリカでもフランスでも同じだ」とし、アメリカの航空会社がフランスでフライトすることが許されるなら、アメリカでも同じ条件で運航できるはずだとしています。

航空会社の業界団体は訴訟をも辞さない構え

この動きに対しアメリカの航空会社の業界団体であるAirlines for Americaは、連邦通信委員会(FCC)に対して空港周辺での5G通信網の展開を停止するよう求めました。
 
Airlines for AmericaはFCCが行動を起こさない場合、裁判を起こす可能性があると述べています。
 
FCCの広報担当者は「互いに協力することで、ワイヤレス通信市場の発展と航空機の安全航行は両立できると楽観視している」と述べました。
 
一方、アメリカの無線通信関連企業の業界団体であるCTIAは、5G通信は安全でありすでに約40の国で5G通信の周波数帯が使用されているとコメントしています。

 
 
Source: Reuters
(ハウザー)

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