Instagram(インスタグラム)は2021年12月に約束したとおり、時系列(新着順)フィードを復活させた。
米国時間1月5日のツイートで、InstagramのトップAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏は、同プラットフォームのメインフィード体験の動作に大きな変更を加え、ユーザーが3種類のフィードを選べるようになったことを発表した。新たな2つのオプション、「Favorites(お気に入り)」と「Following(フォロー中)」ではコンテンツが時系列に並べられ、第3のオプション「Home(ホーム)」では現在と同じアルゴリズムによって並べられる。
モセリ氏は、時系列ではないホームフィードは、時間とともにおすすめがどんどん増えていき、すでに知っている人のコンテンツをフォローするよりも、新しい発見のためのハブのような役割をすると語っている。Favoritesは、少人数の友達や家族の近況をすべて読むのに便利で、それ以外のフォロー中の人の投稿はFollowingビューで読むことがてきる。
この変更はすでに公開済みで、今後数週間のうちに全ユーザーに反映される予定だ。時系列フィードオプションの最終バージョンは2022年前半に提供する計画だとモセリ氏はいう。Facebeook(フェイスブック)やInstagramが通常行っている数多くの限定された実験とは異なり、今回の変更はアプリ体験に広く実装される。
Testing Feed Changes
We’re starting to test the ability to switch between three different views on your home screen (two of which would give you the option to see posts in chronological order):
– Home
– Favorites
– FollowingWe hope to launch these soon. More to come.
pic.twitter.com/9zvB85aPSp — Adam Mosseri (@mosseri) January 5, 2022
Instagramユーザーは長年時系列フィードに慣れ親しんできたが、会社は2016年にアルゴリズムフィードに切り替えた。これは同アプリを次の金の卵と考えていた親会社のFacebook(現在はMeta)の意向を受けたものだった。アルゴリズムフィードにすることで、Instagramは意欲的に広告を撒き散らすことが可能になり、アプリの原点である時系列の写真シェア空間から遠ざけた。
時は進んで2022年、会社が時系列フィードを再登場させたのはユーザーを喜ばせるためだけではない。もしそうであれば2016年にユーザーの反発が起きた時、すぐに戻していただろう。時系列フィードを復活させたInstagramの決断は、同アプリを使う全員にとっての勝利だが、Metaがアプリをユーザーにとって安全でよりよいものにするための常識的な変更を行うのは、 マスコミの悪評や漠然とした規制による圧力がかかってからであるという悪習の新たな事例となった。
米国の立法者たちは、ソーシャルメディアの危険性に注目し、提案された規制によってプラットフォーム各社はユーザーの選択肢を増やし、アルゴリズムがコンテンツをランクづけする方法の透明性を高めることを強いられている。
Protecting Americans from Dangerous Algorithms Act(危険なアルゴリズムから米国民を守る法令)という法案では、プラットフォームはユーザーがアルゴリズムによる推奨を無効にできるスイッチを追加することが要求されている。
「透明性と説明責任を強化すべきであると私たちは信じ、もっとコントロールできるべきであると信じています」とモセリ氏は2021年12月に行われた彼にとって生涯初の議会公聴会で語った。「来年公開できることを願っている時系列フィードの開発に現在取り組んでいるのはそのためです」。
関連記事:
・アルゴリズムに焦点を当てた第230条の改正に向け米議員が公聴会で討議
・Instagramが表示アルゴリズムを一新―最新の投稿ではなくもっとも関心を引きそうな投稿がトップに
・Instagramトップ、2022年初めに時系列順のフィードオプションを復活させ提供と発言
画像クレジット:LIONEL BONAVENTURE / Contributor / Getty Images
[原文へ]
(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook)