イスラエルのネゲブベングリオン大学の研究者は、金魚にロボットカーを運転させることで、生物に備わったナビゲーション能力の汎用性を調べています。
研究者は、金魚のナビゲーション能力が、水中だけでなく陸上でも通用するのかとの疑問を抱きました。金魚が陸上でも目的地に向かって移動できるかどうかを調べるためには、水槽に入ったまま運転できるロボットカー(FOV:Fish Operated Vehicle)が必要でした。
金魚の位置を車輪に反映
研究者は、カメラで金魚の動きを記録し、水槽の中の位置を車輪の動きに反映するシステムを設計しました。金魚が水槽の前方にいるときはFOVを前方に進めるといった具合です。ちなみに、金魚が水槽の内側を向いているときは車輪に動きには反映されませんでした。
透明の水槽内からは目的地が確認でき、金魚はそちらに向かってFOVを運転します。報酬として餌を与えることで、金魚は目的地に向かうことを学習したようです。
ナビゲーション能力の汎用性を証明
金魚が目的地に向けてFOVを運転する様子は、動画で確認できます。スタート地点が変わっても、金魚は迷わず目的地に到達。誤った地点に到達してもすぐに修正しています。
こうした結果から研究者は、“ナビゲーション能力は環境固有ではなく汎用的なもの、また金魚は進化した環境と異なる環境においても複雑なタスクが学習できる”と結論付けています。
参照元:Can a Goldfish Drive a Car on Land?/ Ben-Gurion University of the Negev
From fish out of water to new insights on navigation mechanisms in animals/ ScienceDirect
(文・山田洋路)
- Original:https://techable.jp/archives/170645
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji