現在車で使用されているタイヤは中に空気を含みます。そして、外側のゴムが傷ついたりした場合に中の空気が漏れることがあります。
そうしたパンクの懸念をなくすのが空気を使用しないタイヤです。韓国のタイヤメーカーHankookはこのほど、同社のエアレスタイヤ「i-Flex」コンセプトの最新版を発表しました。従来コンセプトから衝撃吸収性と耐荷重性を向上させています。
生物の細胞構造を模倣
最新版は通常のタイヤ同様にドーナツ状ですが、空気は含まず、内部が蜂の巣状になっています。Hankookによると、これは生物模倣型研究をもとにしているとのことです。
生物の細胞構造にヒントを得ている複数レイヤーの連動スポークデザインにより、衝撃をよく吸収するようになっています。そして剛性の異なる六角形と四角形を組み合わせている構造は積載時の安定につながります。
タイヤの大きさは直径400ミリ、幅は105ミリです。
自動運転車に最適
エアレスタイヤの最大のメリットはパンクフリーになることですが、同社は空気圧を定期的に測定したり、必要に応じて空気を注入したりといったメンテナンスが不要になる点も指摘し、このため自動運転車にうってつけだとうたいます。
エアレスタイヤに2010年から取り組んでいる同社はこのほど米国で開催されたCES 2022で、現代自動車のプラグ&ドライブ(PnD)モジュールに使われる形でこのコンセプトを発表しました。
Hankookは現在もコンセプトの研究・改良を続けていて、現時点で市場投入の時期は明らかになっていません。ただ、自動運転車に最適とうたっていることから、そう遠くない将来に製品化されることが期待できそうです。
(文・Mizoguchi)
- Original:https://techable.jp/archives/170731
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:mizoguchi