国土交通省はタクシー事業者に対し、ドライバーへの安全教育を義務付けています。具体的には、ドライバーが安全運転について理解を深め、安全意識を持つことができるよう、年間を通じて定期的かつ継続的に教育を実施するという内容です。
しかし、24時間稼働するタクシー業界において、ドライバー全員を集めて講習を行うのは困難。かと言って個別に指導するとなると人的リソースに問題が発生するでしょう。そして、そもそも国交省の指導指針に沿った指導を実施できる人材がいないといった課題もあるようです。
そんななか、株式会社キャブステーションは、タクシー事業者が実施するべき法定安全教育を網羅したeラーニングシステム「グッドラーニング!forタクシー」を開発。1月1日より提供を開始しました。
受講しやすいシステム。管理者の業務負担軽減も
同社は、2019年1月にバスドライバー教育特化型のeラーニングシステムとして「グッドラーニング!」を開発。その後トラック版をリリースし、500事業者1万名以上が利用するドライバー教育に特化したサービスへと成長しました。
そしてこのたび、多くのタクシー事業者から要望を受け、新サービスとして「グッドラーニング!forタクシー」をリリース。“いつでもどこでも誰にでも”をキーワードに、タクシードライバーの安全教育の適正化・効率化を図り、社会やドライバーの安全を守るサービスを提供します。
同サービスの大きな特徴は、場所や時間を選ばずPCやスマートフォンなどから学習できるということでしょう。また、CGの危険予測シーンやナレーション付きの動画教材などを使い、内容がわかりやすいのも特徴。受講時間は約30分なので、待機中や休憩中でも受講できるようです。受講後に行う効果測定テストで、対話型で効果的な研修を実現します。
同サービスは、管理者にとってもメリットが。国交省が告示した指導・監督指針の改正(2018年6月改正)に対応した最新版の講座が自動配信されるので、研修資料の作成などの手間がかかりません(自社専用教材も作成可)。また、ドライバーの学習進捗状況や理解度を自動集計して管理できる機能も搭載し、業務負担を低減します。
交通事故の撲滅を目指す
近年、あおり運転や高齢ドライバーによる交通事故が多く報じられ、「社会における車の安全」や「運転者の安全意識・安全管理」に大きな関心が寄せられています。
タクシー業界に目を向けると、2019年のタクシーによる交通事故は約1万件(全国ハイヤー・タクシー連合会統計)。この状況に対し業界としての解決策が必要と言えるでしょう。
そのひとつが「安全教育」です。警視庁の資料によると、2018年の交通死亡事故のうち約8割がドライバーの交通違反に起因するとのこと。交通違反の防止には安全意識の向上が有効ではないでしょうか。
同社は「グッドラーニング!forタクシー」を通じ、タクシー事業者とドライバーの交通安全をサポートすることで、交通事故の撲滅を目指すとのことです。
(文・Higuchi)
- Original:https://techable.jp/archives/171021
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口