米国時間1月17日朝、髪を専門とするスタートアップ企業でセントルイスに拠点を置くRebundle(リバンドル)は、プレシードラウンドで140万ドル(約1億6000万円)を調達したと発表した。この資金調達イベントを主導したのは、中西部を地理的に重視するベンチャーキャピタルのM25だ。Rebundleは、このプレシードラウンドに先立ち、6桁相当の助成金およびその他の非流動的な資金を調達していたことを、CEO兼共同創業者のCiara Imani May(シアラ・イマニ・メイ)氏はTechCrunchによるインタビューで語った。
Rebundleは、植物由来の素材を使ったヘアエクステンションを開発・販売している企業だ。ヘアエクステンションに関する筆者の知識は乏しいが、メイ氏はいくつかの重要なポイントを説明してくれた。まず、市場は大きく、かつ多様で、低価格なもの(プラスチック製)から高価なもの(人毛)まで、無数の価格帯があること。そして2つ目は、プラスチック製のエクステンションは頭皮に炎症を起こす可能性があるということだ。
Rebundleを設立する前から、メイ氏はより持続可能な生活に関心を抱いていたという。プラスチック製のエクステンションが引き起こす炎症についても認識していた。彼女のスタートアップ企業が生み出したものは、製品からプラスチックを取り除くことで顧客の頭を快適にし、廃棄物を減らすことで環境に貢献できるという、両方の可能性を持っている。
Rebundleは、バナナ繊維を芯材に使って製造したさまざまな色のエクステンションを販売している。また、海外ではなく、米国内に新たな生産拠点を建設していることにも注目すべきだろう。
今回の資金調達に話を戻すと、この資金はチームとサプライチェーンへの投資に充てられると、CEOは語っている。これまでRebundleの製品は、1時間以内に売れ切れてしまっていた。つまり、適切に事業を拡大するためには、今まで調達した資金では足りなかったのだ。そこで、ベンチャーキャピタルに支援を求めることにした。
RebundleはDTC(消費者に商品を直接販売する)企業であり、自社ウェブサイトを通じて製品を販売している。筆者はメイ氏に、ヘアエクステンションを使用している人が年に何回くらい新しいエクステンションに交換するのかを訊いてみた。多い人で年に5回と彼女は答えた。つまりRebundleは、定期的に購入される物理的な商品を独自のチャネルで販売しているということだ。
エクステンション市場の粗利益率がどうなっているのか、今ここで私たちにはわからないが、定期的にエクステンションが売れる可能性があるということを考えると、Rebundleは興味深いビジネスケースと言えるだろう。
継続的に購入される仕組みを持たない製品のDTCモデルに山ほどのベンチャーキャピタルが投資し、この実験がさまざまな結果をもたらしたことを思い出して欲しい。
製品のサブスクリプション(定期購入)について尋ねると、共同創業者は具体的な説明を避け、このアイデアには「遊びの余地がある」とだけ述べた。現在のエクステンションの顧客が、通常のサブスクリプションで製品を購入することはないと、メイ氏は説明した。もし、Rebundleが国内製造を拡大し、製品構成に定期サービスを導入できるようになれば、2022年中に同社が再び資金調達を行っても、私は驚かないだろう。
しかし、その必要はなさそうだ。同社のCEOがTechCrunchに語ったところによると、今回のラウンドはローリング・クローズで行われたが、この資金によって少なくとも18カ月、おそらくそれ以上のランウェイが確保されるという。そのため、同社が近い将来にさらなる資金を必要とすることはないだろう。しかし、資金が必要にならないからといって、スタートアップ企業が資金を提供されたときにそれを受け入れるのを躊躇することあまりないはずだ。
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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Hirokazu Kusakabe)