中国の電動離発着機(eVTOL)メーカー、AutoFlightが、欧州での空飛ぶタクシー展開に意欲を見せています。このほど、ドイツのアウグスブルク空港に拠点を構えました。
欧州航空安全機関の認証取得に向け、乗客3人を乗せる自社開発のeVTOLを使ったパイロット試験を実施することにしています。すでにお膝元の中国では物流用の自律型無人航空機の製造も手がけていて、エアモビリティの分野で今後、グローバルに存在感を出しそうです。
乗客定員3人
AutoFlightはエアタクシー用のeVTOL「Prosperity Ⅰ」を開発し、エアタクシーとしての欧州航空安全庁の認可取得に取り組むことにしています。
Prosperity Ⅰはパイロットが乗り込むタイプで、乗客定員は3人。航続距離は約250キロとのことです。つまり、通勤やちょっとした近場への移動に使う乗り物となります。
滑走路は不要
eVTOLのメリットは垂直に離着陸できるため、滑走路を必要としないことです。つまりヘリコプターのような離着陸パッドがあればどこでも利用可能となり、空港がない地域はもちろん、ビルの屋上や街中でも利用が可能で、目的地に近いところまでの「足」となり得ます。
eVTOLを使ったエアタクシーは地上の渋滞を避けられるとあって需要が見込まれています。そのため、大手からスタートアップまでさまざまな企業が取り組んでいますが、AutoFlightのドイツチームを率いるのはエアバスの元マネジャー、マーク・R・ヘニング氏です。
ヘニングス氏は「Prosperity Ⅰのコンセプトはシンプル。シンプルというのは安全性、効率性を意味します」と話しています。今後、同社は欧州航空安全庁の認可取得プログラムを2025年までに完了する予定としていることから、早ければその頃に商業展開が可能になります。
同社は中国企業ということで、ゆくゆくはアジア一帯でのサービス展開もあり得るかもしれません。
(文・Mizoguchi)
- Original:https://techable.jp/archives/171816
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:mizoguchi