便利で手軽な音楽アプリのおかげで、いまや誰もが気軽に作曲できる時代になりました。でも、センスよく仕上げるとなるとやっぱり難しいもの。ちょっとした歌詞とメロディがワンフレーズ浮かんだとしても、そこからの展開にはアイデアが必要だし、さらに作った曲に歌詞をのせるのにはそれなりに歌心が必要で、知識や経験に乏しい素人にとってはなかなか簡単なことではありません。
そんな悩める初心者クリエイターにヒントを与えてくれそうなのが、カシオから3月上旬発売の新型キーボード「CT-S1000V」(予想実勢価格:5万5000円前後)。作ったフレーズに合わせてキーボードが自然な歌声で歌い上げてくれるという、これまでにない機能を備えています。
Casiotone(カシオトーン)の新製品として登場する「CT-S1000V」は、特別な演奏スキルがなくても鍵盤操作でボーカル部分を演奏できる新感覚のキーボード。その秘密は、新開発の音源技術“Vocal Synthesis(ボーカルシンセシス)”にあります。
“Vocal Synthesis”とは、名古屋工業大学発のベンチャー企業・テクノスピーチの研究技術をベースに、カシオが独自に開発した音源技術。歌詞やメロディによって複雑に音色を変えられる人間の歌声は、従来一般的な音源技術では再現が難しいとされていましたが、これに対して同技術では、膨大な歌声データに基づいて歌い方をシミュレーション。歌詞のフレーズを生成して声色のデータと掛け合わせることで、人間らしい自然な歌声を実現しています。
歌詞の進み方としては、鍵盤を押すたびに歌詞が進む“ノートモード”と、鍵盤を押している間自動的に歌詞が進む“フレーズモード”の2種類を搭載。
特にユニークなのが、歌詞と譜割り、テンポをあらかじめ設定しておくことで、即興演奏にあわせて自動的に歌声をのせてくれる“フレーズモード”。自由に鍵盤を弾くだけでも歌声が楽しめるし、演奏された歌声を聞きながら曲のイメージをさらに膨らませて次のメロディや展開を探ることも可能です。
ボーカルの音色として、中編成の女性コーラスをイメージした“CHOIR GROUP”や80年代ディスコ風の“VOCODER”、ビブラートが特徴的な“OPERA”など22種類のキャラクターを搭載。中にはデスメタル系ボーカルサウンド“DEATH VOICE”のほかに、鶏や牛、ライオンなどの鳴き声を用いた“ANIMAL”といったユニークなものも。
また本体には100種類の歌詞フレーズを内蔵しますが、専用アプリ「Lyric Creator」を使えばオリジナルの歌詞を入力して本体に転送することも可能。言語は日本語と英語に対応。自動で音節単位に分割することも、手動で分割・結合を調整することもできるようになっています。
ある程度楽曲制作に慣れた人ならアレンジやデモテープの制作に便利だし、逆に音楽制作に慣れない人なら思いがけないアイデアが広がるかも。クリエイターの表現の可能性を広げてくれそうな、頼れる秘密道具となってくれそうですね。
<文/&GP>
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- Original:https://www.goodspress.jp/news/428403/
- Source:&GP
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