2021年1月初め、Google(グーグル)はG Suiteレガシー無料版を使用していたGoogle Workspaceの無料アカウントを廃止すると発表した。Ars Technicaが発見したように、顧客からの反発を受けて、Googleはサポートページを更新し、既存のユーザーに対してより多くの選択肢を提供する予定であると述べている。
現在のGoogle Workspaceは、以前のものとはまったく異なる製品となっている。Googleの生産性向上サブスクリプションパッケージは、現在、主に企業向けに設計されている。同社は、Business Starter、Business Standard、Business Plusといった、SaaS方式によるさまざまなプランを提供している。これらのプランは、1ユーザーあたり月額6ドル〜18ドル(日本での料金は680円〜2040円)となっている。
2006年、GmailとGoogleカレンダーの発足に続いて、GoogleはGoogleアカウントにカスタムドメイン名を追加する機能を提供した。例えば、姓のドメイン名を購入し、それを電子メール アドレスに使用することができる(sarah@myfamilyname.com)。当初Google Apps for Your Domainと呼ばれたこの機能は、もともと完全に無料で、特にビジネス顧客をターゲットにしているというわけではなかった。2012年、Googleはその無料版の提供を停止した。
Googleが、永遠に無料サービスを提供するという義務はない。しかし、G Suiteのレガシーアカウントを10年以上使ってきた、テクノロジーに詳しいGoogleの顧客からこのような反応が出るとは、おそらく同社も予想していなかっただろう。例えば、Hacker News のスレッドには1000件以上のコメントが集まった。
支払いを強要したり、G Suiteのレガシーアカウントを完全に停止したりする代わりに、Googleは第3の選択肢を提供するつもりだ。ある種、告知ページとして機能するサポートページで、同社は次のような段落を追加した。
今後数カ月の間に、Google Workspace以外の有料コンテンツとデータの大部分を、費用のかからないオプションに移行する選択肢を提供する予定です。この新しいオプションには、カスタムメールやマルチアカウント管理などのプレミアム機能は含まれません。このオプションは、2022年7月1日とアカウント停止になる前に評価することが可能です。詳細については、今後数カ月以内にこの記事を更新する予定です。
G Suiteのレガシー無料アカウントの大きな問題は、Googleのエコシステム全体に対してGoogleアカウントとして機能するということだ。メール、カレンダーイベント、連絡先に加え、G Suiteのレガシー無料アカウントを持つ一部のユーザーは、YouTube、Googleマップ、Google Playでの購入、Googleドライブなどでそれらのアカウントを使用している。
つまり、Googleのアカウントはメールの受信箱以上の存在であるため、ユーザーにアカウントをキャンセルするか、支払いを開始するかのどちらかを伝えることは公平ではないということだ。Googleが管理者を脅迫しているように感じられたのだ。
もちろん、G Suiteのレガシー無料アカウントをコンシューマー向けGoogleアカウントに移植しても、カスタムドメイン名で既存のメールアドレスを維持できないことに変わりはない。別のメールアドレスを使うか、別のメールプロバイダを探さなければならない。
最後に、Googleは10ユーザー以下のG Suiteレガシー無料管理者向けに簡単なアンケートを設定した。このアンケートに回答することで、代替オプションへの関心を示し、Googleからの最新情報を受け取ることができるようになる。
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(文:Romain Dillet、翻訳:Akihito Mizukoshi)