CX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」(カルテ)を提供するプレイドは2月2日、ファースト・パーティ・データ活用によりサイト内外で一貫した顧客体験を実現するソリューション「KARTE Signals」(カルテ シグナルズ)の提供開始を発表した。KARTE Signalsは広告ソリューションとの連携を前提にしており、第1弾としてGoogle広告およびFacebook・Instagram広告への提供を開始する。
KARTE Signalsは、KARTEと顧客に関わるあらゆるデータを統合する「KARTE Datahub」を介して、自社サイトを訪問・利用する顧客のファースト・パーティ・データをサイト外での体験向上に活用できるサービス。自社サイトでの行動データだけでなく、自社CRMの購買データやオフラインのPOSデータなどもすべて統合。このKARTE Signalsと広告ソリューションを組み合わせることで、顧客の広告に触れる体験の向上と広告配信の最適化をKARTEというSaaSプロダクトにおいて実現する。
認知拡大から購買促進・継続利用までサイトの内外問わずあらゆる接点・チャネルで一貫した施策実施が可能としており、KARTE Signalsは今後、Google 広告・Facebook/Instagram広告以外の広告ソリューションへの提供も展開するという。
またSaaSとして提供することから、別途の環境整備やデータ基盤構築の必要もなく、自社内だけで運用を完結させることも可能だ。KARTE Signalsと広告ソリューションの連携についても開発は不要で、手間をかけずに広告予算の最適化を図れるとしている。
KARTE Signalsの特徴
- あらゆるデータの収集と統合をワンストップで実現。ファースト・パーティ・データの活用を最大化
- 広告媒体プラットフォーマーを横断して広告の一括配信を実現
- KARTE独自の接客のデータ、機械学習を活用した予測モデル、オフラインのデータなどファースト・パーティでしか得られないデータを使った最適な広告運用が可能に
- ピクセル欠損を補うために、FacebookのコンバージョンAPIを容易に利用可能に
昨今サード・パーティ・クッキー規制が本格化し、プライバシー保護がますます重要になる中で、ブランドのミッションは顔の見えない顧客を対象にしたコンバージョン最大化よりも、顔の見える顧客との関係構築とLTV向上へとシフトしている。
このような環境においてKARTE Signalsと組み合わせてオンライン広告を展開すれば、適切なプロセスによって取得したファースト・パーティ・データを活用し、顧客に合った広告を適切なタイミングで届けられるという。そのとき広告は有益な情報として機能し、エンゲージメントの向上に貢献するとしている。プレイドによると、イオンリテール、ポケットマルシェ、再春館製薬所などが先行し活用しており、その点についてすでに評価を得ているそうだ。
ポケットマルシェは、「新規ユーザーの獲得について、より継続的に購入してくれているユーザーのコンバージョンデータをKARTE Datahubから Google 広告に戻すことによって、私たちのサービスや目指す世界観と親和性の高いユーザーの特徴を捉えてアプローチできました」とコメント。再春館製薬所 海外本部は、「海外市場では、日本以上にFacebook広告のターゲティングが重要な位置づけです。サード・パーティCookie規制の影響もあり広告パフォーマンスは低迷、CAPI対応が急務でしたが、自社で対応するにはリソースの負荷が大きい状態でした。KARTE Signalsによって、サーバーのデータを直接Facebookサーバーへと連携させることができるので大変助かりました」と述べている。
- Original:https://jp.techcrunch.com/2022/02/02/plaid-karte-signals/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Takashi Higa