インドネシアにあるダイハツの工場で生産され、バンとトラックをラインナップするタウンエース(ダイハツ グランマックス、マツダ ボンゴも同型)。2008年にデビューした現行型はキャンピングカーのベース車としても長く選ばれてきたものの、近年は5ナンバーサイズのベース車両としては日産 NV200の人気が高く、タウンエースはどちらかというと地味な存在でした。
ところが、2022年2月10日(木)〜13日(日)に幕張メッセで開催されたジャパンキャンピングカーショー2022の会場を歩いてみると、タウンエースの姿が目立つことに驚きました。
ビルダーの方に話を聞いてみると、2020年6月のマイナーチェンジで新型エンジンを搭載し、低速域からトルクが出るようになったので、重い装備を積んでも満足できる走りを味わえるようになったことが大きいとのこと。
もうひとつの理由がバンライフブーム。5ナンバーサイズの車中泊仕様はファミリーから人気がありましたが、若者の間でバンライフが盛り上がってきたことで、ユルい空気感が漂うタウンエースに目を向ける人が増えているのだと感じています。会場では何組かのカップルが「何このクルマ、かわいいね」と話しているのを見かけました。
軽だと小さすぎるけれど、ハイエースは普段使いでちょっと大きいかも。そんな人にぴったりハマりそうなタウンエースとその兄弟モデルのキャンピング仕様を紹介します!
1. フロット・モービル「シュピーレン2人掛けバタフライシート仕様」(441万1000円(FR))
タウンエースベースのキャンピングカー製作を得意とするフロット・モービルが手掛けたシュビーレンの特徴は、使い方に合わせて装備を自在にカスタムできること。
展示車両は2列目席が2人掛けで、背もたれを前に倒せば後ろ向きに座ってくつろげるバタフライ機能を搭載した仕様。他にも2列目を1人掛けにして横向きソファを備える1人掛けバタフライ仕様、1人掛けと2人掛けの冷蔵庫家具仕様が用意されています。
シンクに取り付けられるテーブルは脚がない仕様なので、足元が広々! ベッドの下には十分な収納スペースが用意されているため、長期のキャンプを楽しみたい人、アウトドアやスポーツを楽しみたい人、仕事をしながら遊びたい人など、さまざまな用途に対応できます。
>> フロット・モービル
2. エートゥゼット「アンナEリフトアップカスタム」(404万3700円)
マツダがダイハツからOEM供給を受け販売しているボンゴバンをベースにした車中泊仕様。スタンダードモデルの他、ローダウンモデルとリフトアップモデルが用意されているので、自分のスタイルに合わせて選べます。
展示車両はオプションの全塗装(66万円)が施してあり、ブラックのバンパー、オーバーフェンダー、ホイールとマッチしていい感じに仕上がっています。リフトアップは40mm。
インテリアはベッドキットとサイドに小型の棚を組んだシンプルな仕様。「これくらいがちょうどいい!」という人も多いのでは。
>> エートゥーゼット
3. フィールドライフ「Robby」(476万6135円)
軽キャンパーを数多く手掛けるフィールドライフ初のバンコンは、ダイハツのグランマックスカーゴをベースに開発。ブラックのバンパーとリフトアップでバンならではのユルさを演出しています。
タイヤはマッドテレインとオールテレインの特長を併せ持つトーヨータイヤのラギットテレインタイヤ“OPEN COUNTRY R/T”をチョイス。適度なゴツさがリフトアップした車体に映えます。
インテリアはデニム柄のシートでアクティブな雰囲気に。キャビンは横座りタイプのソファを採用。そしてフロアは防水重歩行フロア+クッションフロアの2フロアシステムを採用しています。
ソファの向かい側には明るい色のキャビネットを装備。キャビネットには引き出し式のテーブルが付いているので、食事はもちろんワーケーションにも対応できます。
>> フィールドライフ
4. タコス「HANA1.5」(428万5000円)
カムロードやハイエースをベースにしたキャブコン製作を得意とするタコスが手掛けるタウンエースベースのキャンピングカーは、バンコンでありながらキャブコン制作のノウハウを活かしてルーフ部分を延長したタイプになります。
全高は2280mm。延長された部分はバンクベッドになっていて、子供が2人まで寝られます。
2列目席は背もたれを前に倒すことで対面対座が可能に。そして2列目後ろに設置した横向きシート、そして補助席のように設置できるシートにより、大勢で団らんできるようになっています。ルーフが高くなった分頭上空間に余裕があるので、ゆったりとワーケーションをしたい人にもおすすめです。
>> タコス
5. M・Y・Sミスティック「レジストロアウル標準横向きシート」(683万2260円)
ピックアップトラックや軽トラックの荷台にキャンパーシェルを載せたトラックキャンパーを得意とするM・Y・Sミスティック。このタウンエースはそのノウハウを盛り込んだニューモデルのライトキャブコンになります。
居住スペースを自由に設計できるキャブコンの利点を活かし、高い天井、大きなサイドオーニングなどアウトドアで快適に過ごせる機能が盛りだくさん! ボディカラーは全8色用意されています。
キャビンは写真の横向きシートと前向きシートから選ぶことが可能。ダイネットが寝室に変わるほか、ルーフ部はスライドベッドになるため、乗車定員6名で就寝定員5名を実現しています。
給排水容量が各19Lあるシンクはボディ後方に設置。49Lの冷蔵庫、車内の空気を循環させるファンタスティックファン、大型のオーバーヘッドキャビネットなど、キャブコンならではの装備も多数備わっています。サブバッテリーは300Aのリチウムイオンバッテリーに。オプションでFFヒーターや家庭用クーラー、100Vコンセントなども選べます。
>> M・Y・Sミスティック
6. バンショップミカミ「Dテントむし」(696万7400円)
軽自動車をベースにしたキャブコン“テントむし”がヒットモデルとなったバンショップミカミが新たに提案するキャブコンがこのDテントむし。ダイハツ グランマックスをベースに「軽よりもう少し大きなものが欲しい」という人に向けたモデルで、車名は“でっかいテントむし”を意味します。
最大の特徴はエレベータータイプのルーフを採用していること。テントをオープンすると、室内高は最大1800mmに。これだけの高さがあれば、多くの人は車内でかがまずに過ごせます! もちろんテント部は子供の就寝スペースとしても利用可能。キャビンには2段ベッドを設置しているので最大就寝人数は大人4人+子供1人となります。
シートは標準仕様が2列目、3列目ともに横向きに。オプションで前向きセカンドシート(写真)を選ぶこともできます。この場合、セカンドシートは対面ポジションにもできます。
>> バンショップミカミ
7. Stage21「Resort Duo Bambino Familia L.A」(391万4680円)
タウンエーストラックをベースに荷台を架装してキャブコンに仕上げたモデル。特長は、ベースモデルだと税込み350万円台で買えるという価格設定にあります。展示車両には電子レンジ、テレビ、15L冷凍冷蔵庫、サイドオーニングなどのオプションが備わりますが、それでも400万円以下という価格に収まっています。
アメリカの西海岸をイメージしたというビンテージ感漂うデザインは、海辺の風景などに映えそうです。価格は14万3000円しますが、このサイドオーニングはぜひとも選びたいオプションです。
後部座席は横向きで4人で座ることが可能。背当てを外すとベッドマットになります。さらにスライド式のバンクベッドも備えているので、乗車定員は6人、就寝定員は4人となっています。写真奥のカーテンを開けると運転席に直結。雨の日などにうれしいウォークスルーも可能になっています。
>> Stage21
<取材・文/高橋 満(ブリッジマン)>
高橋 満|求人誌、中古車雑誌の編集部を経て、1999年からフリーの編集者/ライターとして活動。自動車、音楽、アウトドアなどジャンルを問わず執筆。人物インタビューも得意としている。コンテンツ制作会社「ブリッジマン」の代表として、さまざまな企業のPRも担当。
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/432441/
- Source:&GP
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