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イノカ、独自の環境移送技術で真冬のサンゴ産卵に成功! サンゴ礁の保全や研究促進を目指す

株式会社イノカ(以下、イノカ)は、2022年2月16日(水)、人工的にサンゴ礁の海を再現した閉鎖系水槽(東京虎ノ門)でサンゴ(種目:エダコモンサンゴ)の産卵に成功しました。

季節をずらしたサンゴ礁生態系を再現できたことで、日本では通常、年に1度6月にしか産卵しないサンゴを真冬に産卵させることが可能に。年に一度しか研究できなかったサンゴの卵や幼生の研究がいつでも可能になることで、基礎研究の進展が期待されます。

市場経済や社会生活に必要不可欠なサンゴ

昨今、国際組織TNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:自然関連財務情報開示タスクフォース)などの活動により、脱炭素の次として生物多様性が注目を集めています。これにより、企業は脱炭素と同様に生物多様性に対する影響評価を開示していく必要性が高まっていくといいます。

約4億年前に誕生し、熱帯を中心に生息しているサンゴは、生物多様性の面でも重要な役割を果たしているほか、人間の社会生活を支える上で必要な護岸効果や漁場の提供、建築材料や生活道具の材料、そして近年では医薬品への活用も期待されています。

しかし、20年後には気候変動に伴う海水温の上昇により、サンゴ礁の70%〜90%が消滅する可能性が高いと言われているのだそう。海の生物多様性や、そこからうまれる経済価値を守るため、サンゴ礁の保全は最重要課題として挙げられているのです。

また日本には、世界で800種類存在するサンゴのうち約450種類が生息しています。研究環境が整っている日本でサンゴの基礎研究を進めることで、日本企業が国際的にも先進しながら環境対応をしていくことができるでしょう。

時期にとらわれずサンゴのライフサイクルの研究が可能に

今回イノカは、独自の環境移送技術により、完全人工環境下においてサンゴの健康的な長期飼育に成功。人工海水を使用し、水温や光、栄養塩などのパラメーターが独自IoTシステムによって管理された水槽(=閉鎖環境)内で行われました。

加えて、沖縄県瀬底島の水温データを元に、自然界と4ヶ月ずらした四季を再現することで、日本では6月に観測されるサンゴの産卵を2月にずらすことに成功しています。

本実験が意味することは、時期にとらわれずサンゴのライフサイクルの研究が可能となったということ。サンゴの基礎研究が大きく進み、サンゴ礁の保全に寄与すると考えられます。

今後は、サンゴが毎月産卵するような実験設備を構築することで、サンゴ幼生の着床率をあげるための実験や高海水温に耐性のあるサンゴの育種研究へとつなげていきたいとしています。

PR TIMES

(文・和泉ゆかり)

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