2021年は、気候分野で活動するスタートアップにとってとんでもない年だった。グローバルで、約1400の投資家が気候変動に取り組む次世代企業に注目している。投資家は600件超の取引に400億ドル(約4兆6000億円)超を投じた。前年の2倍以上の資本が投下されたことになる。Climate Tech VCの新しいレポートによると、モビリティとエネルギーのスタートアップが一貫して最も多くの資金を調達していて、かなりの差ですばらしい食品と水のテクノロジーが3番手であることが示されている。
筆者はこのほど、気候分野を専門とする14人の投資家に話を聞き、彼らのポートフォリオや業界全体でみられることについて新たな情報を得た。投資家らは資本の流入を歓迎し、これはバブルというより、この部門の適正規模であることを示唆している。
Closed Loop Partnersのストラテジックイニシアチブ&パートナーシップ担当シニアディレクターのGeorgia Sherwin(ジョージア・シャーウィン)氏は、業界全体で共有されている意見として「気候と循環型経済の分野に投資する中で、私たちは自分たちの仮説を証明し続け、この分野に新しい投資家が加わることに感激しています」と語った。「私たちは常に循環型経済と気候テック全般への投資を一層促進することを考えており、2022年この分野に参加した新しい投資家を歓迎します」。
成長の理由の1つは、上流資本が投資先をより意識するようになったことだ。リミテッドパートナー(例えばベンチャーキャピタルファンドに投資する人たち)は、環境、社会、ガバナンス(ESG)の影響をより意識するようになり、その過程で地球にとって有利な方向へと局面を一変させている。2021 年前半には、RivianやNorthvoltへの大規模な投資が行われるなどモビリティ分野で巨額のラウンドがあり、同年末にはHelionやCommonwealthといった核融合エネルギー企業に数十億ドル(数千億円)の投資が行われ、エネルギーというパイが大きく膨らんだ。2022年も核融合の分野では、さらに大きな動きがありそうだ。
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特に、2021年はアーリーステージの取引が急増し、全体の60%超を占めた。シードステージの取引は、投入された資金の2%未満だったが、取引数の約30%を占めた。これはいくつかのことを意味している。まず、2022年には、多くの企業が膨大な額の後期ステージ資本を調達する。定義によれば、これらは投資家にとって低リスクの取引となり、より大きな額を集め、この種の企業に対する意欲をさらにかき立てることになる。そして何より、この青い地球の存続を願う私たちにとって、気候変動ソリューションへの注目度が急上昇することを意味する。
2022年、気候テックがどのように発展していくのか楽しみだ。2022年最初の数週間だけでも、投資家たちが次々と新しい資金を調達し、巨額の投資を行い、また、私たちが直面している気候問題に対してあらゆる角度からアプローチする小さな企業が続々と誕生しているのを目にしている。
画像クレジット:Climate Tech VC under a license.
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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Nariko Mizoguchi)