ロシアのインターネット規制機関Roskomnadzorの発表によると、ロシア政府は現地時間2月25日、Facebook(フェイスブック)へのアクセスを「部分的に制限」し始めると発表した。
ロシアは、Facebookがテレビ局Zvezda、通信社RIA Novosti、ウェブサイトのLenta.ruとGazeta.ruのロシア国営メディア4社に対して独自の規制をかけたことを受けて、具体的には示されていないこのアクセス制限措置を実施すると主張した。
「2月24日、RoskomnadzorはMeta Platforms, Incの管理部門に、ソーシャルネットワークFacebookがロシアのメディアに課した制限を解除し、その導入理由を説明するよう要請した」とRoskomnadzorは説明し、そしてFacebookがその要請を「無視」したと付け加えている。
Meta Global Affairsの副社長Nick Clegg(ニック・クレッグ)氏はTwitter(ツイッター)でこの状況を詳しく説明し、ロシアの要求は、Facebookのファクトチェックの慣行か、国営メディアのアカウントにラベルを貼る方針のどちらかに反応したものであることを明らかにした。「ロシアの普通の人々は、自己表現し、行動を組織するために@Metaのアプリを使っています」とクレッグ氏は書いている。
Ordinary Russians are using @Meta's apps to express themselves and organize for action. We want them to continue to make their voices heard, share what’s happening, and organize through Facebook, Instagram, WhatsApp and Messenger. pic.twitter.com/FjTovgslCe
— Nick Clegg (@nickclegg) February 25, 2022
Facebookは、ロシア政府の主張と、国営メディアに対してプラットフォームでどのような行動をとったかについて、TechCrunchのコメント要請に応じなかった。今のところ、部分的なアクセス制限がロシアのFacebookユーザーにとってどのような意味を持つのか、また、そうした制限がWhatsApp(ワッツアップ)やInstagram(インスタグラム)といったMeta(メタ)所有のプラットフォームにもおよぶのかどうかは不明だ。
ロシアが隣国ウクライナへの侵攻を深める中、何千人ものロシア人が戦争反対デモを行うために街に出ている。ほとんどの場合、大きな危険を冒してだ。ロシア政府は、オンライン上の反戦感情を抑え、米国が所有する最大のソーシャルネットワークの1つを皮切りに、戦争に関する物語をさらに形成しようとしている可能性がある。
Facebookのようなテックプラットフォームは、ロシアの偽情報の拡散を抑えるために、より強力な行動を取るべきだという考え方が米国では支持されている。2月24日に公開され、広く共有されているブログ記事では、ロシアのVladimir Putin(ウラジーミル・プーチン)大統領をヒトラーに例えて、プラットフォームに「どちらかの側につく」よう促し、オンラインで偽情報を流すロシアのプロパガンダアカウントの広大なネットワークを取り締まるよう促している。
「あなたはそれらのメディアがヒトラーへの援助を断つことを要求しますか、それともヒトラーが何百万という人の生活を破壊しようとするときでさえ、『言論の自由』といういくつかの混乱した概念に対するドイツ国家の権利を擁護しますか?」とTech Policy PressのCEO兼編集者であるJustin Hendrix(ジャスティン・ヘンドリックス)氏は、投稿の中でこう書いている。
「それがGoogle、Facebook、Twitterをはじめとする米国のテック企業が今直面している状況なのです」。
画像クレジット:Getty Images
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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi)