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MediaTek、Dimensity 8100/8000/1300を発表

Dimensity 8100/8000の画像
 
スマートフォン向けシステム・オン・チップ(SoC)市場でトップシェアのMediaTekが新型SoCを3種類発表しました。
 
Dimensity 8100/8000/1300と名付けられたこれらのチップはハイエンドスマートフォン向けのチップであり、MediaTekはこれらの製品でこの市場に強みを持つQualcommを追撃したい考えです。

Dimensity 9000の廉価版に当たるDimensity 8100/8000

Dimensity 8100とDimensity 8000は、MediaTekのフラッグシップSoCであるDimensity 9000の廉価版に当たるハイエンドスマートフォン向けSoCです。
 
これらのSoCのスペックを比較すると以下のようになります。
 

Dimensity 9000 Dimensity 8100 Dimensity 8000
CPU Cortex-X2 x 1(@3.05GHz) + Cortex-A710 x 3(@2.85GHz) + Cortex-A510 x 4(@1.8GHz) Cortex-A78 x 4(@2.85GHz) + Cortex-A55 x 4(@?GHz) Cortex-A78 x 4(@2.75GHz) + Cortex-A55 x 4(@?GHz)
GPU Mali-G710 Mali-G610(Dimensity 8000より最大20%動作周波数が高い) Mali-G610
AI処理 APU 5.0(6コア) MediaTek APU 580(Dimensity 8000より最大25動作周波数が高い) MediaTek APU 580
ディスプレイのリフレッシュレート 180Hz(FHD+解像度時) 168Hz(FHD+解像度時)、120Hz(WQHD+解像度時) 168Hz(FHD+解像度時)
製造プロセス 4nm(TSMC) 5nm(TSMC) 5nm(TSMC)

 
Dimensity 8100/8000のスペックはDimensity 9000よりも1段低いものとなっていますが、その分価格が安いと考えられます。
 
Dimensity 8100と8000の違いは、CPU、GPU、AI処理の動作周波数が8100の方が高く、ディスプレイのリフレッシュレートもWQHD+解像度時に120Hzをサポートする点です。
 

 
おそらく回路は共通で、製造時の選別で動作周波数が高いものをDimensity 8100として出荷するのでしょう。
 
Dimensity 8100/8000を搭載したスマートフォンは2022年第1四半期(1月~3月)に市場に投入される予定です。

Dimensity 1200の後継品のDimensity 1300

一方、Dimensity 1300はその名前が示すとおり、MediaTekの従来のフラッグシップSoCであるDimensity 1200の後継チップです。
 
しかしながら、公式スペックを比較すると、「ゲームテクノロジー」を除きこれらのチップの間には差がありません。
 

Dimensity 1300 Dimensity 1200
CPU Cortex-A78 x 1(@3GHz) + Cortex-A78 x 3(@2.6GHz) + Cortex-A55 x 4(@2GHz) Cortex-A78 x 1(@3GHz) + Cortex-A78 x 3(@2.6GHz) + Cortex-A55 x 4(@2GHz)
GPU Mali-G777 Mali-G77
AI処理 APU 3.0(6コア) APU 3.0(6コア)
ディスプレイのリフレッシュレート 168Hz(FHD+解像度時) 168Hz(FHD+解像度時)
ゲームテクノロジー HyperEngine 3.0 HyperEngine 5.0
製造プロセス 6nm 6nm

 
MediaTekのHyperEngineはCPUやGPUのリソース管理、画質向上、ネットワーク接続などを処理するためのものであり、そのなかにはハードウェア処理だけではなくソフトウェア処理も含まれています。
 
これらのSoCは、チップ自体は共通でソフトウェアが異なるだけか、あるいはチップに違いがあっても消費電力削減のために回路が最適化されている程度なのかもしれません。
 
Dimensity 1300を搭載したスマートフォンも2022年第1四半期に市場に投入される予定です。

 
 
Source: MediaTek (1), (2), (3) via Wccftech
(ハウザー)

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