Appleの株主総会で、株主から提案された人権への外部監査、機密保持契約のリスクに関する情報開示という2つの議題が賛成多数で可決されました。Appleの株主総会で2件の株主提案議題が可決されるのは異例のことです。
株主提案議題は6件と異例の多さ
Appleは現地時間3月4日、年次株主総会をオンラインで開催しました。
今回の株主総会では、Apple経営陣が用意した取締役選任など4つの議案のほか、人権問題、サプライヤーにおける強制労働、人種や性別による給与格差など、Apple経営陣が反対したものを含む、例年になく多い6つの株主提案議案が採用されて注目を集めていました。
株主総会では、株主提案議題のうち、人権問題の監査制度と、従業員に対する秘密保持契約によるリスクの2つが承認されました。
Appleの株主総会で、株主提案の議案が2つ承認されるのは異例だ、Bloombergは指摘しています。
人権問題への監査、従業員の秘密保持契約の2議題が承認
人権問題の監査制度導入は、人種差別による格差是正を求める提案です。Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)は「Appleは人権をとても大切にしている」と述べ、すでに十分な取り組みが行われていると説明しましたが、採決の結果、第三者による監査制度導入が承認されました。
秘密保持契約のリスクは、従業員がハラスメントや差別といった違法行為を知った場合に、外部への通報ができないリスクについて検証を求めています。
Apple経営陣は、従業員は職場での違法行為について話す権利が保障されていると説明しましたが、その権利を契約に明記することとなりました。
疑問の声があったティム・クックCEOの報酬も承認
株主総会では、元アメリカ副大統領のアル・ゴア氏を含む取締役が再任されたほか、ノルウェーの政府系ファンドが疑問を呈していたクックCEOの報酬も承認されています。
2021年に続いてオンライン開催となった株主総会では、ティム・クックCEOとキャサリン・アダムス上級副社長兼法務統括責任者が発言する際はミー文字で登場しました。
なお、2021年6月には、世界開発者会議(WWDC21)を前に、Appleの役員一覧の顔写真がすべてミー文字に入れ替わりました。
Source:Bloomberg, 日本経済新聞
(hato)
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- Source:iPhone Mania
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